架空資本のフィクションとそれに価値を付すことは、外注先の買収、子会社設立の手段、相互の資本関係のフィクション、組織再編の手段である。
流動資産の部の有価証券、固定資産の部の投資有価証券の総資産に占める割合が高く、棚卸商品や設備投資割合が低い企業は、配当という方便により有価証券発行元法人の労働者を搾取している。棚卸資産の割合が低いと原材料代を搾取しているとの推論が可能である。
有価証券勘定の存在は、当該法人の資本が、購入した有価証券を引き渡す前に、有価証券をフィクションしている法人から直接労働力商品を購入することなく、労働を疎外して資本関係をフィクションするという過程を繰り返し、労働の評価を疎外して有価商品の評価に転嫁し続けているという過程ことである。
それにより帳簿価額は市場価額と異なるものとなる。
有価証券を国際金融資本に売却し配当を得て預金する、すなわち国際金融資本に貸付けることを余儀なくされ、国際金融資本は、預金された商品に評価して労働者に貸付をフィクションしているのである。
国際金融資本の営業上の秘密を知りえないプチブルは、内部留保を基に有価証券を、統計や政局の動きに依存して資本市場経済の構造を考えず、税制上益金とならない配当益を得るか、それを売却してさらなる内部留保の拡大するか、株式発行法人に権力を行使するという目的論で購入しているということである。
国際金融資本は、紙幣をフィクションする権利を実体化させている。
フィクションされた資本関係を源泉に、労働を余儀なくされ、生産関係が実体化され、代理人たる労働者(プチブルであることもある)は、長期貸付金、関係会社長期貸付金につき、貸倒引当金を計上してリスクの方便を付して、又、利益の出ていない法人の代理人労働者は、貸倒引当金を計上せず、いずれの場合も労働の評価をコントロールし、労働を疎外し、利潤を架空資本に転嫁する過程をコントロールしている。