預金通帳の写しには、「当券」「他券」という表示がある。これは、「当店券」、「他店券」のことで、当店券とは、銀行側からみて、自行が振り出した小切手であり、他店券とは、他行が振り出した小切手のことである。簿記会計上は、事業者は、小切手金を受け取って時点で、(借)現金(貸)売上と認識し(慣行としてそのような処理が認められているだけで、売上計上時期は、商品等引渡時、役務提供完了時(例外有り)である)、銀行へ持ち込むわけであるが(当店券については、銀行に持ち込んだ時点で売上を建てていもよいとされている)、当券、他券に相当する売上が現金出納帳、売上帳等に上がっていなければ、売上計上洩れの有無を推測してみる必要がある。

期中は、上記の処理でも実務上の弊害はないが、当店券、他店券の表示があるものについては、期末、特に基をまたぐものについては、役務の引渡しがあったときに、商品の引渡しが労働の完了の場合には、発送の連絡があったときに、

(借)現金 /(貸)売上 を建てなければなりません。

小切手帳の控えについては、売上が計上されているか税務調査等で一枚一枚突合されていくことがある。何等考えることなしに、当券、他券について一律に(借)預金(貸)現金とすると売上計上洩れを指摘されうる。