医療費の金額は、(その年中に支出した医療費の金額から保険金等により補填された金額を控除したもの)ー10万円又は所得金額の5%の少ない金額=医療費控除の金額(最高200万円)として計算される。

したがって、所得金額が200万円未満の人、例えば199万円の人はその5%の金額は9万9,500円であるから、これを上回っていれば医療費控除を計算上受けることができることになる。

税理士や税理士事務所の職員が、所得金額を尋ねもせず、又はこの規定の所得の5%の部分を知らないからか、医療費が10万円超えていないから医療費控除は受けられないから申告しても無駄であるということがあるので、納税者は、注意が必要である。

この医療費控除は、確定申告を行えば、給与所得者も受けることができる。

医療費控除は、労働力の再生産という観点からと、製薬会社の労働力の労働の疎外と、投融資のフィクションに貢献したことにより所得の金額からの控除を認めたものである。

[関係条文]

所得税法73条

居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において、その年中に支払った当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職金額及び山林所得の金額の合計額の100分の5に相当する(当該金額が10万円を超える場合には、10万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が200万円を超える場合には、200万円
を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。

2 前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療に必要な医薬品の購入その他医療又はこれらに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。

3 第1項の規定による控除は医療費控除という。