課税標準とは、課税対象物たる物、行為又は事実を、「税額の算出を行なう必要性から」、金額・価額・数量等で表した物をいう。したがって、経済的利益の「評価」、固定資産評価額でいう「評価」をはじめとする評価額は、単に、経済戦争の勝者が社会に認めさせることに成功した社会的所産に基づく、課税をする上での仮説としての金額等であるのに対し、課税標準は、経済的諸関係、生産関係等またこれら相互の関係等諸関係を考慮して、課税適状にあるか否か、すなわち、課税に馴染むものか否かを考慮して税額算定の基礎となる価額を算定すなわち確定させるのであるから、両者の金額等は、必ずしも一致するとは限らないし(課税標準の方が高い場合も低い場合もある)、経済上の取引をはじめとする行為、商品等全てが、課税に馴染むものとも判断されるとは限らないのである。両者の相違は、経済上の諸関係に「基づく」ものなのか、資本家の代理たる課税庁と納税者間の権力関係に基づくものなのかに由来する。