あなたは、生活をする上で、経済上、やむを得ず、実際に生活で使っていたものを売ったとします。

そうした場合、自分の肉体を使って使用して引き渡すまでに産み出した利潤については、確定申告をしなければいけないのでしょうか。

確定申告は義務付けられていなくても、損失が産み出された場合には、それを申告して他の所得と通算することができるのでしょうか。

譲渡したときに課税される資産にはどのようなものがあるのか。

譲渡所得が生じた場合に課税される資産の例には、土地、借地権、建物、株式等、特定の公社債、金地金、貴金属、宝石、書画、骨とう、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)が挙げられます。

なお、貸付金や売掛金などの金銭債権は除かれています。これらの譲渡は、事業所得又は雑所得となります。

同族関係者に、現実には贈与したと評価されてしまうと贈与税がかかる場合があります。

しかし、ロスチャイルドやロックフェラーの一族に贈与税が課せられたという話を聞いたことはありません。

現金や株式と同様に、権利は実体がありません。それらが脳内(オンライン)で流通する過程で、脳内でそれら取得した者が、自らは、労働をせずに、労働力を労働させて労働者が産み出した利潤を搾取しています。

国際金融資本が、鉱業権、特許権を売った場合には、経済上は、貸付金、株式の売却同様に、譲渡所得ではなく、取得費を原価に算入できない配当所得又は事業所得又は一時所得又は雑所得であると思いますが、譲渡所得として取得価額が取得費に算入された上で、50万円控除が受けられます。彼等にとっては、50万円は、はした金でしょうが。

譲渡とは、有償無償を問わず、既に取得していた資産を移転させる一切の行為を言うので、売買のほか、交換、競売、公売、代物弁済、財産分与、収用、法人に対する現物出資などの手段も含まれます。

また、次の場合にも資産の譲渡があったものとして課税されます。

(1)法人に対して資産を贈与した場合や限定承認による相続などがあった場合

次のイ又はロのような事由により資産の移転があった場合には、時価で資産の譲渡があったものとして、課税されます。

イ 法人に対する贈与や遺贈、時価の2分の1未満の価額による譲渡

ロ 限定承認の相続や限定承認の包括遺贈(個人に対するものに限られます。)

(2)1億円以上の有価証券等を既に取得していて手離していない一定の居住者が国外転出等をする場合(平成27年7月1日以後)

ここでも、ロスチャイルド、ロックフェラー、天皇に課税がされたという話は聞きません。

地上権や賃借権、地役権を設定して権利金などを受け取った場合
建物や構築物を所有するための地上権や賃借権(以下「借地権」といいます。)の設定などにより受ける権利金などについても、その金額が借地権の設定された土地の時価の2分の1(地下又は空間について上下の範囲を定めたものである場合等は4分の1、

大深度事業と一体的に施行される事業により設置される施設等の全部の所有を名目とする地下について上下の範囲を定めたものである場合は4分の1にさらに一定の割合を乗じたもの)を超える場合には、譲渡所得として課税されます。

資産が消滅することによって補償金などを受け取った場合

収用などにより、借地権、漁業権などの資産が消滅させられたり、その評価が減少することにより一時に補償金などを受け取ったときは、その補償金などは譲渡所得として課税されます。

譲渡したときに課税されないものには、どのようなものがあるでしょうか。

資産の譲渡による所得のうち、次の所得については課税されません。

(1) 当該動産を使用して労働以外の生活していて、それを譲渡した場合

家具、じゅう器、通勤に使用していた自動車、衣服などの労働を含めた生活に必要であった動産の譲渡による所得です。

フリーマーケットやネットオークションについては、生活に使用していたか、生産手段にしていたり、労働力をして発送、出荷又は引渡しという労働をさせていたかは、預金だけでなく、取引の実体、経済上の事実関係を調査しなければ確定できませんが、少額であることから、生活に必要なものであったという建前で課税を執行してこなかったという現実があります。

スーツや通勤に使用していた車は、労働に用いていたものですが、給与所得者は、車両関係の費用や減価償却費は経費にすることは基本的に認められていません。

現実に通勤に使用していてその量が相当であると評価されれば、生活に欠かすことができないものと評価し(神戸地判昭和61年9月14日)、使用の実体がわずかであると評価されれば、生活に欠かすことができないものであるとは言えないとされます(大阪高判昭和63年9月27日)。

所得税法9条

2 次に掲げる金額は、この法律の規定の適用については、ないものとみなす。

一  前項第九号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の第三十三条第三項に規定する取得費及びその譲渡に要した費用の額の合計額(以下この項において「取得費等の金額」という。)に満たない場合におけるその不足額

二  前項第十号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の取得費等の金額又は第三十二条第三項(山林所得の金額の計算)に規定する必要経費に満たない場合におけるその不足額

第六十九条  総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額を計算する場合において、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、政令で定める順序により、これを他の各種所得の金額から控除する。
2  前項の場合において、同項に規定する損失の金額のうちに第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産に係る所得の金額(以下この項において「生活に通常必要でない資産に係る所得の金額」という。)の計算上生じた損失の金額があるときは、当該損失の金額のうち政令で定めるものは政令で定めるところにより他の生活に通常必要でない資産に係る所得の金額から控除するものとし、当該政令で定めるもの以外のもの及び当該控除をしてもなお控除しきれないものは生じなかつたものとみなす。

生活に必要な動産であると評価されても、非課税ですので、譲渡損失は、他の所得と通算することはできません。

生活に必要でない動産と評価されても譲渡損失は他の所得と通算できません。

しかし、生活に必要な動産と評価されれば、それが他の者に加害されたり、盗難、横領された場合には、雑損控除として所得の額から控除することができます。

貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個又は1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は課税されます。

単体では、労働や労働以外の生活で使用することができなければ、他の商品を付加していって使用することができたときに一組であるということができます。

また、石ころや紙切れには何の価値も備わっていませんが、それを加工するという労働によって評価が付加されたものです。これらを売ることによって得られた現金商品には相応の評価がされます。

(2) 強制換価手続により資産が競売などをされたことによる所得
資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合に、強制換価手続(滞納処分や強制執行、担保権の実行としての競売、破産手続等)により、資産を譲渡したことによる所得及び強制換価手続の執行が避けられないと認められる場合における資産の譲渡による所得で、その譲渡代金の全部が債務の弁済に充てられたものです。

(3) 国又は地方公共団体に対して財産を寄附した場合や、公益を目的とする事業を行う法人に対する財産の寄附で国税庁長官の承認を受けた場合の所得
法人に対して財産を贈与又は遺贈(以下「寄附」という。)した場合には、時価で財産の譲渡があったものとして譲渡所得が課税されますが、国や地方公共団体に対して財産を寄附した場合や、公益を名目とする事業を行う法人に対する財産の寄附で国税庁長官の承認を受けた場合には、その寄附はなかったものとみなされます。

公益事業といっても、現実は金融資本が、未払いの労働の対価を貸付けに転換して民間企業の労働者を使用して行わせる事業ですが。

(4) 国等に対して重要文化財等を譲渡した場合の所得

文化財保護法により指定されている重要文化財(土地を除く。)を国、独立行政法人国立文化財機構、独立行政法人国立美術館、独立行政法人国立科学博物館、地方公共団体又は一定の地方独立行政法人(以下において「国等」という。)に譲渡した場合の譲渡所得については、課税されません。

(注)

1 文化財保護法の規定により指定されている重要有形民俗文化財を平成28年12月31日までに国等に譲渡した場合の譲渡所得については、その2分の1相当額が課税対象となります。

2 一定の地方独立行政法人への重要文化財又は重要有形民俗文化財の譲渡については、平成26年4月1日以後の譲渡について適用されます。

(5) 財産を相続税の物納に充てた場合の所得
財産を相続税の物納に充てた場合には、その財産の譲渡はなかったものとみなされます。
ただし、物納の許可限度額を超える価額の財産を物納した場合には、その超える部分は譲渡所得の課税対象になります。

(6) 債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の所得

法人に対して財産を贈与した場合には譲渡所得が課税されますが、中小企業者である法人の取締役等でその法人の債務の保証人であるものが、その法人の事業の用に供されている資産を、債務処理計画に基づき平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間にその法人に贈与した場合には、一定の要件の下、その贈与はなかったものとみなされます。

資産の譲渡による所得であっても、次の所得は譲渡所得ではなく、事業所得や雑所得、山林所得として課税されます。

(1) 事業所得者が商品、製品、半製品、仕掛品、原材料などの棚卸資産を譲渡した場合の所得は、事業所得となります。

(2) 不動産所得や山林所得、雑所得を生ずる業務を行っている者がその業務に関して上記(1)の棚卸資産に準ずる資産を譲渡した場合の所得は、雑所得となります。

(3) 使用可能期間が1年未満の減価償却資産、取得価額が10万円未満である減価償却資産(業務の性質上基本的に重要なものを除きます。)、取得価額が20万円未満である減価償却資産で、取得の時に「一括償却資産の必要経費算入」の規定の適用を受けたもの(労働において重要なものと評価されるものは除きます。)を譲渡した場合の所得は、事業所得又は雑所得となります。

(4) 山林を伐採して譲渡した場合又は立木のまま譲渡した場合の所得

山林所得となります。しかし、山林を取得してから5年以内に伐採して譲渡したり立木のまま譲渡した場合の所得は、事業所得又は雑所得となります。

(5) 上記(1)から(4)までの資産以外の資産を相当の期間にわたり、労働力をして、継続的に譲渡していると評価される場合の所得事業所得又は雑所得となります。

計算方法、申告手続き

譲渡所得は、譲渡資産の種類によって、次の表のように分離課税の対象になるものと、総合課税の対象になるものとに区分して課税されます。

分離課税とは、譲渡所得金額についての税額を、事業所得や給与所得などの他の所得の金額とは区別し、租税特別措置法に規定された税率によって計算したものをいいます。

総合課税とは、譲渡所得の金額を事業所得や給与所得などの他の所得の金額と合計し、所得税法に規定された累進税率によって税額を計算したものをいいます。

土地建物、株式の譲渡は、所得税法上、分離課税とされています。

上場カバードワラント(平成22年1月1日以後に譲渡するもの)、店頭カバードワラント(平成24年1月1日以後に譲渡するもの)は、分離課税(先物取引等)によるとされています。

関係条文

国税通則法2条、所得税法9、22、33、59、60の2、60条の3、所令25、26、79、81、95、169、所基通33-1、33-1の2、租税特別措置法31、32、37の10、37の15~16、40、40の2、40の3、41の12、41の14、措令25の15、26の17