法基通12の5-1-1にいう「原則として100分の90」には例外があるか。
リース物件によっては、中古市場がフィクションされ、労働の評価を疎外して、経過年数を評価し、経過年数によって物件が減価したとフィクションさせた割合が高くない場合には、リース期間の経過に応じて事前に当該物件の処分価額が見込め、中途解約したときにも利潤を分配させ、規定損害金の属性を付与してそれを調整することができるから、必ずしも90%とはされないことが考えられる。
90%とという数字は、昭和53年リース通達発遣の段階で、リース事業協会の研修会で税務上賃貸借として認められるリース取引を前提として示された割合であるとの建前を採り、リース期間が法定耐用年数の70%以上による場合の「概ね全部」の解釈に当たって適用される割合であると考えられている。
仮にリース期間を法定耐用年数の50%とした場合には、リース会社の資本が投下した資本を源泉として疎外労働を土台にした利潤の分配が早まることになり、物件の減価が遅滞するとフィクションされたリース契約の場合には90%以上の規定損害金を課さなくとも利潤の分配を受けることができる。
ユーザーからの、労働の疎外を土台とした利潤の分配をさせてその金額が商品の原価を超えて、リース料の価値属性と、リースが終了した段階での処分代金の価値属性を付すことができれば、差し支えないのであるから、現実に利潤の分配を受けているかどうかの問題である。
法基通12の5-1-1
法第64条の2第3項第1号《リース取引の定義》に規定する「これに準ずるもの」とは、例えば、次に掲げるものをいう。(平10年課法2-15「4」により追加、平14年課法2-1「三十二」、平15年課法2-7「四十五」、平19年課法2-17「二十六」により改正)
(1) 資産の賃貸借に係る契約に解約禁止条項がない場合であって、賃借人が契約違反をした場合又は解約をする場合において、賃借人が、当該賃貸借に係る賃貸借期間のうちの未経過期間に対応するリース料の額の合計額のおおむね全部(原則として100分の90以上)を支払うこととされているもの
(2) 資産の賃貸借に係る契約において、当該賃貸借期間中に解約をする場合の条項として次のような条件が付されているもの
イ 賃貸借資産(当該賃貸借の目的となる資産をいう。以下12の5-1-2までにおいて同じ。)を更新するための解約で、その解約に伴いより性能の高い機種又はおおむね同一の機種を同一の賃貸人から賃貸を受ける場合は解約金の支払を要しないこと。
ロ イ以外の場合には、未経過期間に対応するリース料の額の合計額(賃貸借資産を処分することができたときは、その処分価額の全部又は一部を控除した額)を解約金とすること。