元入金は、会社組織でいう資本金に相当するものであると言われることがある。

元入金の期首残高と期末残高は同一の額にすることが決算申告上義務付けられているから、当年分における利潤に付された価値の結果はわかるが、貸借対照表は、疎外労働の過程が、貸借対照表を見ただけではわからない構造になっている。

事業主貸勘定と事業主借勘定は、翌年分の貸借対照表の期首残高に引き継がれず、元入金に混入されてしまうから、翌年分以降は、当該年分の貸借対照表を見ただけでは、元入金の金額の内、開業の段階において投下された金員に付された価値と、その後の疎外労働を土台とした利潤の額の累積額がわからない。疎外労働の過程がわからないのである。

当該年分の利潤の結果しかわからないのである。国際金融資本が、家族という経済実体を作らせ、その御主人様を使って、疎外労働をさせて利潤を蓄積させ、構成員を閉じ込め、同族企業の家族労働者が労働基準法の適用除外となることの装置、後付の方便に、所得税申告書の貸借対照表は、なっているのである。