<p>商法や証券取引法に依拠して損益計算書で費用計上しても、棚卸資産の評価減、債権の償却、税法上の法定耐用年数によらない減価償却、役員退職慰労引当金、企業独自の損失引当は税務上損金算入が認められないことある。

これらは損失が実体化されたと看做されることにより、税法上も損金算入が認められるが、損益計算書に計上した段階では、税金の前払いと評価されることがある。

経済事実の実体化の進行の過程におけるズレを調整して、損益計算書の税引前利益とそれに見合う法人税等を対応させることが上場企業や商法上の大会社に義務付けられている。

利潤に労働の価値が転嫁され、有税で、すなわち労働者が国債の負担をさせられ、費用計上をしている企業に繰延税金資産が計上される。

一方、繰延税金負債は、国債負担の未払分であると評価される。繰延税金負債が多く、純繰延税金負債/資産の割合が高い企業は、他の経済実体から利潤を分配させられ、労働疎外済の労働力商品の評価が切り下げている企業資本である。すなわち、

生産手段を買い換えて圧縮記帳を適用して、労働を疎外して労働力商品への転嫁を免れ、フィクションされた国債の返済負担義務を繰延べているのである。

そして、土地建物、機器が利潤を産んだかのように方便を付しているのである。

労働の疎外を土台とした繰延税金資産、繰延税金負債は、現金商品と引換えてそれに価値を付与することができない。

金融機関、産業資本は、中央銀行に出資する民間金融機関の資本が、労働を疎外して名目上の資本を用意してくれなければ資本増殖してその資本に資本を引き渡すことができないとされていると労働者は教えられる。

金融資本は国際金融資本から投融資を受けざるを得ない。

更に日本の金融機関は、国際金融資本に借入を返済し、儲けさせなければならないから、架空資本たる国債、有価証券を購入することを余儀なくされ、更に国際金融資本から借入をする。国際金融資本は、所有する産業資本に追加投融資をして存続させ、資本の増殖させることもできるし、産業資本をリストラしても、中央銀行を所有しているから、名目上の資本を無制限に設定できるから、資本不足になることはありえない。

労働を疎外して労働者の退職金の名目で留保した引当金、貸付けを源泉に労働の疎外の基礎となる債権の引当金、架空資本、土地資本、権利を始めとする資本についてした実体のない価値属性の付与にすぎない評価損による留保資本を、借入の担保という名目により国際金融資本に差し出し、税金という名目で実体のない利息を徴収する。

資産負債に実体のない価値属性を付与した会計上の費用、現実には留保資本の内の借入利息の支払に相当する部分の金額が繰延税金資産である。</p>