国際金融資本の中央銀行の所有関係維持義務を土台とする、国際金融資本と資本の資本関係により、各資本は資本増殖を余儀なくされる。
より疎外労働による資本増殖ができない労働者があれば労働力商品を取替え、疎外労働による資本増殖ができればその労働力商品を手放さない。
資本が退職した労働者に損害賠償の訴訟を提起することが相次いでいるという。労働者が退職することにより損害賠償を負わす。
労働者は資本を有せず、資本より資本、生産手段が貸与され、労働力、生活過程を売ることで、現金を得ているのであって、労働者に生活に基づいて資本を使用する権利や意思は存在せず、資本との資本関係、生産関係に基づいて労働するのである。
資本が資本関係を土台に資本、生産手段を貸し付けているのであるから、損失を負担する義務は資本にある。既存の法人資本の損失を賠償する義務は労働者にはないし、労働者が辞めることによる将来の損失は実体のない観念であるし、労働者との資本関係からすれば労働者が入れ替わっても将来の損失は、資本が負担する義務である。
労働者は資本を持たないから労働強化により病気、怪我があれば生活の基礎となる現金収入を得ることができない。
資本は、生産関係上、退職が確定してから新たに労働者を雇用して他の既存の使用人の労働が強化されることを阻止しなければならない。
退職届提出から退職日までの間の新入労働者の賃金は資本が負担しなければならない。新しい労働者が労働するまで、既存の社員が辞めた労働者の労働を補填した分の給与については資本が支払わなければならない。
退職者に貸出していた資本、生産手段の購入に要した代金債務を負担する義務は労働者にはないし、労働者に投下した研修代を賠償する義務は労働者には存在しない。
資本は、労働者に退職による損失があったとして未払給与を支払わないことはできない。退職労働者の労働が損失の基礎か否かを問わず、既存の法人資本の損失と退職労働者の未払給与を相殺することはできない。
退職届を許認可する権利を資本は取得して実体あるものとして社会に認めさせることには成功してない。退職届を2週間前に提出すれば、労働者は、労働する義務も出社する義務も電話に出る義務もメールを応答返信する義務もないのである。労働者は資本からの損害賠償義務に応じることはないのである。