<p>所得税法上の不動産所得を得ている経済実体が、その者と同族関係にない管理法人に管理料を支払う他に、その者と同族関係にある同族法人に管理料を支払うことがある。資本が小規模の不動産所得者の場合、資本規模の大きい不動産所得者と同程度の現金を支出して不動産管理に関するあらゆる労働力商品の提供を受けることができない。募集をかけて入居者を探してくること、夜間の巡回と夜間に実現したトラブルの対応、営業や生活の妨害をしている車両の取締り、設備の点検、修繕を行う際の業者との交渉、修繕の立会い、ごみ収集の立会い、廃棄物の処理、保管、定期清掃業者が行う以外の定期外の清掃、入金した家賃の預金からの引き出しは、同族法人に依頼せざるを得ない。
同族関係法人であっても、労働力商品の提供を受けたのであるから金銭を支払わなければならない。同族法人の労働者を経済関係上閉じ込めることはできないのである。中央銀行の架空資本の所有維持義務に基づいた国際金融資本が社会に規定した不動産管理料は不動産収入の5%と規定するが、現実の労働量、労働過程、労働の範囲が大きければ、労働を疎外することなく、それに応じた現金を支出しなければならないことは、労働力商品の提供が同族関係のない業者である場合も、同族関係法人である場合も同じであるから、管理料が不動産収入の5%を超えることも現実にはあるのである。管理法人においては、管理料収入から労働を疎外することなく労働者に現金が支給されなければならない。</p>