<p>「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」と言われることがある。この場合の「能力」とは、肉体、又は更に教育、訓練という疎外労働、無償労働を通じて得た技術、資格、権利を生産手段にして、生活過程を売って、労働を提供し、労働の疎外を受けて、資本に転嫁させて資本に引き渡し、現金を得て現金に付与した価値のことである。
働いていない経済実体は、産業資本、劣後金融資本の国際金融資本との資本関係から働くことができていない。能力のある経済実体だけでなく、能力が乏しい経済実体、全くない経済実体であっても、中央銀行の資本が発行した紙幣を経済過程の中で取得していることによる資本関係上、労働力商品として生存して待機することを余儀なくされているから、各々の生活を基礎とした生活に足りる現金の給付がされていなければならない。
疎外された労働による賃金不払いは返還され、親の債務、階級の損失は、現金、紙幣は架空資本であり、労働力商品、物品と引き換えに支給され、投融資に経済実体がないから疎外されなければならない。その上で各々の経済関係を含めた生活を基礎とするから、給付される現金は、全ての経済実体において同じではない。能力のある経済実体もない経済実体も、生活を基礎として受取分を決めて、生活過程、労働の提供の量を決め、労働量と受取の量に満たなくても差し支えなく、生活を基礎とした受取分を超えて労働して資本に増殖をもたらす義務はない。受取分を超えた労働については現金が支給されなければならない。中央銀行への準備金制度から必要に応じて働き必要に応じて受け取ることは既に可能なのである。</p>