[事実関係]

納税者がした貸倒金の主張につき、「貸付金の元となった貸金が貸付先Eから申し入れを受けたのでこれに応じて2,500万円を貸し付けたと主張するが、Eの証言によれば、Xの代表者から税金対策上必要だからと依頼されて借用証書を書いたのであり、Xからの借入れた事実など全くないことが認められるので、右主張には理由がない」とする裁判例がある(静岡地判昭和52年6月24日)。

[解説]

貸倒れの基礎となる、現金商品の投下、労働の疎外という実体がなければ、貸倒れとはならないのである。