[事実関係]

 被告法人は繊維製品の月賦販売等を業とし、二重帳簿を作成し、売上を除外するなどし、訴訟において、 商品の破損、店晒し、型崩れ等が著しいので、その評価額は処分可能価額によるべきであると主張した。

 裁判所は、

「被告会社の創立時の状況(個人商店からの衣料品を引き継いだが流行遅れで殆ど処分不可能であった)、その業態が弁護人所論(繊維衣料品が外交員によって購入先の家庭に運ばれ、展示の上月賦販売契約が結ばれる)のとおりであり、

在庫商品の破損、汚損、たなざらし、流行遅れの程度は一般商店におけるより甚だしいものがあったことを認めることができるから、かかる特殊の業態においては仮令被告会社が前記各確定申告に当たり在庫商品の評価減について経理上何等の区別整理も行わず、

従って原則として右の売価還元法による取得価額による評価にのみ止めなければならないとしても、なお前示の如き通常の価額で販売できない商品、または通常の方法で使用にたえない商品については処分可能価額によって在庫評価を行い、計算上は右取引価額との差額を評価損として取扱うのが相当であり、

且つ、調査日現在における評価減率を確定し遡って各期毎の評価額を算出することも亦許されるものと解すべきである」とした(函館地判昭和36年2月18日)。

[解説]

 全ての経済実体は、国際金融資本との資本関係から、生産手段、生活手段を消費せざるを得ない。

経済実体は、資本関係から、生産手段を購入し、労働者に貸与して、労働を疎外して、疎外した労働を商品に転嫁することを余儀なくされる。再投融資を受けることを余儀なくされる。経済実体は、資本関係から破損、汚損、店晒しという瑕疵があれば、流行遅れがあれば、購入段階の市場価格より安く売って現金留保をせざるを得ない。

国際金融資本は、中央銀行を所有する民間金融機関の所有過程、所有関係、所有関係を土台にした実体関係から、産業資本に資本を投下させ、新商品を開発製造させ、国際金融資本から投融資を受けさせて、産業資本の内部留保を所有し、利子配当名目で現金を回収し、他の経済実体が中央銀行を所有する民間金融機関の買収をできなくすることを余儀なくされる。

生国際金融資本は、現実には実体のない流行を創造し、所有する電波、マスコミに宣伝させる。流行のサイクルを短くし、生産手段の貸与、労働の疎外、疎外した労働の資本への転嫁、回転数を増やすことで資本は増殖する。資本関係を土台とした現金留保義務から、経済実体に新たな消費をさせ、投融資を受け、資本を実体上所有されることを余儀なくさせる。

国際金融資本は、課税という名目を使用して回収しなくとも、利子配当の方法で送金されるから、評価損の計上を税務上認めても、前所有の経済実体との資本関係に基づく、中央銀行を所有する民間金融機関の所有関係を維持する義務を履行できるのである。資本は、産業法人に 評価損を計上させて安く架空資本を購入し、生産手段があるから、高く売却できるのである。