[事実関係]

<p>機械製造を業とする同族法人が、イランの原子力庁との海水淡水化プラント工事に関する仕掛品評価損を計上して確定申告をしたところ、税務署長は、契約解除による損害賠償の基因となる損失に当たり、既に受領した前受金によって補填されるとして更正処分を行った。

裁判所は、

「ところで前受金とは、その性質上、営業取引に関する契約に基づいて受け入れられた手付金その他金銭の前受額であって、金銭による返済は行われず商品の引き渡し、役務の提供等により代金等の一部に充当され又は売掛金と相殺されて生産が行われることは通常であることは当裁判所に顕著である。

右によると、右評価損の金額は、受領済の前受金と収支の計上時期が対応しこれによって補填されるべきところ、少なくとも右前受金が17億9,296万円以上であって、右の評価損を超えていることは明らかである。
したがって、右が損金でないとした同被告の判断に違法はない」(大阪地判平成2年3月20日)とした。

[解説]

受領した金銭には価値属性は備わっておらず、現金留保の源泉たる現金、現金留保の土台、過程から現金の実体が規定され取引を行った経済実体に意思はない。

国際金融資本は原子力や石油に投融資し生産手段にして貸与することによりリターンが得られるという既存の経済過程からイラン原子力庁への投融資を行い、併せて海水淡水化プラントを設置させることとしていた。海水淡水化装置を造り生産手段にして貸与するよりは、核兵器を造り戦争を行わせる方が投融資額が膨らみ利子配当が得られることから海水淡水化装置の製造を止めた。

現金を受けた段階では、商品、労働が疎外済の役務を引渡し、商品と引き換えに現金商品を得るという関係ができておらず、疎外した労働を商品に転嫁したという実体がないことにより前受という関係ができる。

資本を源泉に生産手段を貸与して労働を疎外して疎外した労働がプラントという商品に転嫁されることで実体あるものと社会に認めさせることに成功する。

実体関係は資本関係、経済関係、生産関係によって規定され、契約解除の段階では既に現実に労働が行われ、労働の疎外、疎外された労働が資本名義の役務、製造中の商品に転嫁されているから、現金商品を労働疎外済の製造中の商品と引き換えに引き渡さざるを得ないから、資本関係から、現金を得た経済実体は収益計上を余儀なくされ、現金商品と商品に付与された価値属性は実体あるものと社会に認めさせることを余儀なくされる。

資本は、原告に前貸しし資本関係を創造し、原告が商品を製造せず、生産手段にして貸与することができなかったことから、原告は前貸しされた金銭の返済を余儀なくされた。

原告は支払い原資がなく、金融資本の保証を受けざるを得ない。金融資本を担保にすることで国際金融資本は金融資本を所有することで前貸しした金銭を回収する。

借入の支払いは労働者に転嫁され、既に疎外された労働は、再度疎外され、賃金を圧縮されるのである。原告は、返還を余儀なくされずに、既に労働疎外済の、提供した役務、商品名義で原告法人に留保されたとしても、国際金融資本が前払した金銭を源泉に、リターンを産む商品の製造することを資本関係から余儀なくされ、中央銀行を所有する民間金融機関の既存の所有関係から租税という名目で留保現金は回収される。</p>