[事実関係]

 原告Xは、塗料製造を業とする法人であり、昭和39年10月1日から40年9月30日、昭和40年10月1日から41年9月30日までの事業年度について、法人税確定白色申告をしたところ、税務署長は、上記各事業年度につき更正処分、40年9月の事業年度については過少申告加算税、41年9月の事業年度については重加算税の賦課決定処分を行った。

 原告Xは、昭和40年1月1日付で、Xの代表取締役甲が代表取締役をしている訴外法人Aの塗料製造部を引き継いだことに伴い、40年9月の事業年度分の資産勘定に営業権価格として2,000万円を計上し、同時にその対価として負債勘定にA社からの借入金の名目で、2,000万円を、更に、同借入金支払利息金の名目で180万円、同償却費名目で150万円をそれぞれ計上する会計処理をした。

税務署長は、(イ)A社は操業の歴史も浅く、比較的小規模の中小企業に属すること、

(ロ)Xに事業を引き継ぐ直前のA社の経営内容は、多額の負債のため倒産寸前の状態にあったこと、

(ハ)A社代表取締役甲は、この窮地を打開するため、いわゆる第2会社を設立し、これにA社の事業を引き継ぐことを企図してのであるが、当時休眠会社であるB社を買収して、商号等の変更又は移転登記を行ったものがXであり、甲は両会社の取締役を兼ねるに至って、XがAの第2会社たる要件を形式的に整えたものであること、

及び、XはA社から事業の引継ぎを受けるまでは資本金2,000万円の払込みもなされておらず、登記簿上の会社にすぎなかったこと、

(ニ)A社には超過収益力の基因となる同種の他企業にない特殊な技術、組織等としての評価されるものがあるとは認められないこと、(ホ)営業権をXに譲渡したとするA社において、同社の当該事業年度における確定申告等に際してX側の前記会計処理に対応する会計処理が何らなされていないこと、等の諸事情からみて、

A社自体に超過収益力は認められず、また、X自身この営業権価格を認識して譲渡を受けたものではなく、したがってXが主張するようなA社の営業権価格を認めることはできないと主張した。

 第一審は、Xの請求を棄却し、控訴審は、Xが営業権の価額を税法上計上することは相当でないとしてXの控訴を棄却した。

上告理由は、

「原判決は、『企業会計において、営業権とは、ある企業が同種の事業を営む他の企業が稼得している通常の利益(平均利益)よりも大きな収益つまり超過収益力を稼得できる無形の財産的価値を有している事実関係である』と判旨するが、これは税務上の営業権の解釈を誤った違法がある。すなわち、営業権を右のごとく解釈することになれば、同種企業の平均値を基準とすることになり、全企業の半数は利益の有無にかかわらず、営業権が認められないことになる不合理がある。

殊に企業の目的が多角的である場合は、一営業部門は利益をあげているが、他の部分は欠損であるという場合があるとき、この場合企業全体としては赤字でも、利益を得ている部門を切り離して営業譲渡をすれば、当然営業権の対象となるべきであり、又は現に赤字の営業であっても、譲受人にとって利益があれば、営業権としての対価を支払うことに合理性が認められるべきである。

それ故同種企業の平均収益力を規準として営業権を判断することは誤っていいる。

Xは、訴外Aから、設備、機械、従業員を承継し、営業利益や資産を取得しながら引継いだ負債があるとしても営業権2,000万円を右A社に支払って尚余りある企業資産を看過しているものである。

原判決がかかる客観的事実を看過して、『Xが本件営業権を価額を税法上において計上することは相当でない』と判断するのは、国民の財産権の制限たる徴税上の解釈の厳格なるべきことを要求する法理念に反するものであり、かつ納税者に対する不利益な判断であるといわなければならない。」というものであった。

 最高裁は、「営業権とは、当該企業の長年にわたる伝統と社会的信用、立地条件、特殊の取引関係の存在並びにそれらの独占性等を総合した、他の企業を上回る企業収益を獲得することができる無形の経済的価値を有する事実関係であるとの見解に立って、原審が確定した事実関係のもとにおいて、税法上Xが本件営業権の価額を計上することは相当できないとした原告の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用できない」とした(最判昭和51年7月13日)。

[解説]

 上告理由にいう企業の目的の「目的」は実体のない観念であって、法人は、目的に基づいて営業を譲渡するのではない。法の理念は、国際金融資本の資本関係から規定され、現実の資本関係、経済関係、生産関係が疎外されており、営業権の存在の有無、計上の有無は、実体のない観念である法理念の問題ではない。

 国際金融資本は、民間金融機関の所有を通じて中央銀行の紙幣発行権、準備金制度の取得できる実体関係の存在から、生産手段を購入し投融資を受けざるを得ない産業の架空資本を手放して、産業の架空資本に投融資して、架空資本の発行法人の労働者の労働を疎外し、疎外した労働を資本に転嫁せざるを得ない。

労働の疎外により、蓄積された資本と引き換えに国際金融資本は、現金商品を得るのであるから、国際金融資本が得た現金商品全額は配当である。国際金融資本は、投融資先の労働者の労働を疎外するが、労働力商品に生産手段を購入した貸与して労働を疎外し疎外した労働を資本に転嫁するという過程がないから、架空資本の取得に要した金額は原価とはならない。

その他の経済実体においても、労働力商品を購入した生産手段を貸与して労働を疎外し疎外した労働を資本に転嫁するという過程がなければ、架空資本を手放して現金商品を得た場合、現金商品は配当であり、架空資本の取得に要した金額は原価とならない。

国際金融資本との資本関係から、経済実体の資本は、法人は法人の金融資本との資本関係から、営業権を取得し投融資を受けることを余儀なくされる。
利子配当により国際金融資本は現金留保を蓄積する。税務署長のいう企図、認識は実体のない観念であり、事実確定の土台とはならない。全ての経済実体は資本関係から、意思に関係なく登記という法律行為を通じて実体あるものと社会に認めさせることに成功させざるを得ない。

 営業権は、既に労働疎外済の架空資本である、生産手段を貸与して、労働を疎外して疎外した労働を資本に転嫁することを余儀なくさせる権利を実体あるものと社会に認めさせることに成功することを余儀なくされたものである。

営業権は架空資本であり、価値属性は備わっていない。

民間金融機関の架空資本の所有することにより中央銀行の紙幣発行権、準備金制度を取得する過程を規定した実体関係の存在から、既に紙幣発行権、準備金制度を所有する国際金融資本の現金留保義務、現金回収義務から、架空資本の価値属性は、国際金融資本のよって、各経済実体の現実の資本関係、経済関係、生産関係を疎外して付与され、実体あるものと社会に認めさせることに成功し、 営業権を生産手段にして貸与し、労働を疎外して疎外した労働を営業権、商品に転嫁して現金商品と交換し、現金商品に価値属性を付与し、労働を疎外し資本に転嫁する毎に現実には備わっていない価値属性が減少するとの方便で現実には内部留保である減価償却費を実体あるものと認めさせるのではなく、均等償却で内部留保の過程を早められているのである。