(1)当法人は、3月決算法人で、9月に帝国データバンクに調査加盟料を支払った。
（借）前払費用 外 （貸）現金 外
加盟金の支払いをした段階で、調査問合票が交付され、加盟金を支払った段階では、役務の提供を受けていないから前払費用である（※）。
(2)同社より調査報告書を受け取った。
（借）支払手数料 抜課仕入 （貸）前払費用 外
仮払消費税 仮払対課
調査問合票の未使用分は、繰り越して使用することができないから、加盟してから1年経過した段階で雑損失となる。
※調査問合票は、契約上、1年間しか使用できず、1年毎に契約を更新するかしないかを確定しなければならないから、現実には下記のように支払段階で1年分を損金に計上していることがある。
（借）諸会費 抜課仕入 （貸）現金 外
仮払消費税 仮払対課
法人名義の労働が提供される毎に費用が実現する調査加盟料の場合には、前払金であると解することができ、支払段階での全額損金算入は否定される得るという見解が成立しうる。しかし、全ての経済実体は、資本関係を土台とした経済関係上、商品、労働の提供との引き換えに現金商品を得なければならず、当該法人は、契約上、会員とならなければ、役務の提供が受けられず、資本関係上、経済関係上、取引先の財務情報を入手せざるを得ない場合、事前に加盟料を支払う支払わないに当該法人には意思はなく、支払いから1年以内にデータの提供を受けていれば、短期の前払費用と解することができるものと思われる。諸会費で処理していても、契約上、資本が所有する法人名義の労働と現金商品の交換を基礎に支払うのであるから、消費税は課税仕入となる。
