面接の段階で、内定の段階で、採用の段階で労働組合に加入しないことや労働組合を結成しないことを資本から誓約させられることがある。
労働組合法7条1号は、「労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること」を禁止している。労働組合に加入しないこと、労働組合から脱退することを雇用条件とすることは、Yellow dog(嫌な奴)という英語のスラングを使用して黄犬契約と呼ばれている。
労働者は、資本、生産手段を所有せず、国際金融資本との資本関係から労働力を売らざるを得ず、生産関係に基づいて労働を余儀なくされ、失業すると生活の土台を失うのであるから、組合に加入しないことや組合に脱退することを雇用条件とすることはできない。
組合に加入することを認めない、脱退させることは、疎外された労働の資本への転嫁により、戦争への投融資に回されるのである。採用の段階で組合に加入しないことを誓約させ、脱退させることを条件に採用することは禁止されている。
組合に入っていない労働者を採用し、組合に入っている労働者を採用しないとすることはできないと解される。
組合員でない労働者を多数採用し、組合員の割合を減らすこともできないと解される。法人内に複数の組合があって、一方の組合に加入させないことを誓約させることも禁止される。
入社後に労働組合を結成しないこと、結成しても組合活動をしないことを約束させることは禁止される。試用の段階での労働組合の不加入を約束することも禁止されると介されている(福岡地判平成3年1月16日)。組合の不加入や組合からの脱退を応募の条件とすることは禁止されると解されている(東京地判平成10年5月28日)。