限定正社員とは、労働する場所、労働義務、時間という属性が付与された労働過程(残業)を限定した契約を資本家と締結することによって労働する者である。国際金融資本と厚生官僚の生産関係を規定した厚生労働省通達においては、限定正社員の解雇については、正社員と同列に扱われることにはならないとする。

労働契約法が改正されて非正規雇用労働が5年を超えて働いた場合、無期雇用に転換できることになったが、労働条件は変えなくて構わないこととされている。

労働力商品に生産関係上意思はないから限定雇用に応じざるを得なくなる。

赤旗では、ユニクロでは2007年に契約社員を限定正社員にして、待遇は月給のままで、実力評価によって一時金を出すというものであったが離職が相次いだことを報告している。

評価は実体のない観念であるから、自由意思名目の労働過程の延長がもたらされることがあり、労働力再生産部分の価値属性が付与された部分は減少し、資本家の取り分が増大するのである。

搾取利得をもたらす者は労働過程を延長され、もたらさない者は解雇され、失業者とし、放置される。労働者は、資本と生産手段を持たない。

労働者は、生産関係の存在から、労働者自身の経済に基づいて労働しえない。労働者は、意思を持たない。

資本家の現金留保義務に従って労働をせざるを得ない。

資本家が所有する法人の内部留保が損失したとしても、労働者はその損失を負担する義務はない。

法人の資本家は、資本家への配当をやめる義務がある。

架空資本を購入しない義務がある。限定正社員であるからといって、裁判例にいう整理解雇4要件よりも解雇要件が緩和されるということはないと解する義務があるのである。