[事実関係]
冠婚葬祭互助会を営む同族法人である原告が行った平成2年9月期、平成4年9月期、平成6年9月期、平成8年9月期の確定申告につき、税務署長は更正処分を行った。
原告は、所得に加算された事項の内、①資産計上した刀剣費用、営業促進費に計上した商品券購入費、②交際接待費に計上した宝石、リング、寝具等、紳士服等、業務促進費に計上した化粧品等、出張旅費、③代表取締役A、グループ法人内部の関連法人への無利息貸付について、訴を提起した。
裁判所は、
「そもそも原告の本件刀剣がr歴史的価値を有し、相当高額であり、業務用の備品としてはなじまない性質の物であること等により、業務用の備品であるとは到底認められない。
原告は、原告代表取締役であるA名義の口座を使用して本件商品券を購入したこと、商品券の在庫管理等はしていないこと、商品券の購入実績がこの時のみであること、本件商品券の使途あるいは交付先について明らかにしないことからすれば、本件商品券が互助会の加入勧奨のために使用したものとは認められない。
原告はA名義の口座を使用して本件宝石リングを購入したこと、本件宝石リングは相当高額で、かつ汎用性に乏しくそもそも備品になじまないことに照らすと、業務用の備品であると認定することはできない。
原告はB名義の売掛金口座を使用して本件化粧品を購入したこと、他の時期には同類の購入がないことからすれば、これが業務用の備品と認めることはできない。」とし、
宝石、貴金属、婦人靴等の購入代金については、
「贈答品としては相当高額であるとこなどに照らすと、業務の遂行に必要な支出とは認められない」とし、
寝具等の購入代金については、
「本件購入物品については原告は宿直室の備品である旨主張するが、その具体的状況については何ら主張せず、業務の遂行に必要な支出とは認められない。」とし、
「原告はA名義の口座を利用して紳士服、紳士ベルト、紳士ワイシャツ、生鮮ギフトを購入し、本件購入物品について貸衣装用備品とはなり得ない生鮮ギフトが含まれていることに照らすと、業務用の備品の購入とは認められない。
原告は当該支出については、O市への出張旅費で用件は、同業者の営業状況の視察である旨主張するが、視察先等の具体的な内容が不明であり、その内容を明らかにしようとはしないこと、およそ業務とは無関係な支出が多数含まれていることが証拠上明らかになると私的な支出であることを認めるに至っていることに照らすと、業務に必要な費用と認めることはできない」とした。
裁判所は、
「本件仮払金は一時的に発生し、その後長時間にわたって精算されておらず、また費用として精算すべき合理的理由も見当たらないことから、実質的にはAに対する貸付金と認められる。ところで、本件の貸付金について、原告は各事業年度において無利息による融資を行っており、これは無償による役務の提供に該当し、社会通念上妥当な利息相当額の収益を計上すべきである。
したがって、被告が、本件貸付金の利息相当額の算定として全国主要銀行の長期貸出平均金利を乗じ、12で除して算定した金額の合計で算出したことは合理的であるから、グループ法人内部の関連会社に対する無利息貸付等に係る利息相当額の経済的利益を原告の益金の額と認定した被告の処分は適法であると認められる」とした(岡山地判平成14年7月23日)。
[解説]
刀剣、宝石には歴史的価値という属性や業務用の備品、汎用性という性質は備わっていない。何も属性を備えていない。
刀剣、商品券、宝石、リング、化粧品、靴、衣服、生鮮ギフトは、贈与を受けた側において、現実に、生産手段にして貸与し、労働を疎外して、疎外した労働を資本に転嫁させていない。
商品券は生産手段にして労働を疎外し、疎外した労働を資本に転嫁して現金商品と交換し、現金商品に価値属性を付与したという過程はない。
寝具、旅費は、所有親法人の労働力商品に生産手段にして貸与し、労働を疎外して、疎外した労働を資本に転嫁させているという実体がなかったとされた。
司法は、加入勧奨のためという実体のない観念である目的によって販売促進費か否かの拠り所にしている。
貸付債権がそれを所有しているだけで利益、現金留保を産み出すのではない。現金商品と交換する義務がある貸付債権に付与された価値属性は、国際金融資本の資本関係を土台にした実体関係を土台にした現金留保、回収義務に基づいて、貸付債権を生産手段にして、労働を疎外して、疎外した労働を資本に転嫁し、資本に転嫁された労働に利息という方便を与えたたものを含んだ、現金商品の交換段階における市場価額である。
利息を徴収するか否かは、社会通念から規定されるのではない。現実には、国際金融との資本関係から課された現金留保義務から、関連法人に貸付金利息を低率にして生存させ、労働を疎外することを余儀なくされているという経済関係があるか否かにより利息の金額は規定される。
引き渡した義務の分だけ、現金を得なかった場合、取得した現金に価値属性を付与しなかった場合、現実に取得した現金留保と、現金商品の交換段階の市場価額との差額は、子法人が債務を返済する現金留保があるか、投融資を受けられる関係にあれば、差額の土台が資本関係によるものであって、子法人への資本家への配当を与えたことになるであろう。
仮払名目の支出が精算されていないことの原因となる経済実体を全体化せずに、司法は、一時的に発生したものとし、宗教学に依拠し、理論に合致するか否かから貸付金としているという問題がある。

