プロ野球の使用球が変更された。変更前の飛ばないボールから、飛距離の出るボールに変わった。どの段階で変わったかは具体的に明らかにされているとは言えない。ボールが変わることにより、1-0の投手戦が好きな当方としては、大味な打ち合い、点の取り合いの試合が増えてつまらなくなったと感じていたところであるが、個人的な嗜好はここでは置いておくこととする。ボールが生産手段として貸与されて、選手は肉体と技術を売って生計を建てているのであるから、成績が下がれば、オーナー側に年俸を下げる口実を与えるのである。選手、監督、コーチは、使用球が変われば、それに応じて練習方法、作戦、配球、守備体系、打撃フォーム、施設、アフターケア、あらゆる対策を講じなければならない。コストがかかるから資金を調達しなければならない。頻繁に使用球を変えることにより、最も利益となるのは、球団、選手に投融資する側である。オープン戦、公式戦を通じて現実に使用してみて知っていたとしても、ボールの反発係数を変えることが決定した段階で選手側に発表されていなければならなかったであろう。