[事実関係]

原告法人は製品販売を業とする49の完全子法人と、少数株主のいる2つの子会社を有していた。

原告法人は、分社型分割により、既存の子法人に土地建物を残し、販売子法人を新設した。

債務超過であることにより吸収合併できないとされた既存の子法人30社に、原告が第三者割当増資を行い、新株の発行を受けた。既存の子法人の資本金を1,000万円に減額し、資本準備金、利益準備金を減額した。

増資をしなかった既存の子法人21社は、減資、減資準備金により、合計85億円を原告に払い戻し、旧商法213条1項により、消却株数=払戻額/1株の時価の株数の株式を消却した。

増資した既存の子法人30社は、払戻しをせず、消却株数=減資の額/増資前の1株当たりの資本金を消却した。

既存の子法人を、持株法人となる法人が吸収合併し、販売法人は持株法人の完全子法人となった。

原告法人は、(払戻額-みなし配当)-消却株式簿価から譲渡損益が生じるとして、譲渡損失1,392億円を計上した。

税務署長は、株式譲渡損益=(払戻額+寄附金-みなし配当)-消却株式簿価、払戻額+寄附金=消却株式時価として更正処分を行った。

裁判所は、

「旧商法213条1項が定める株式の消却がされた場合、当該消却された株式の株主は、当該株式についての株主としての地位に相当する経済的な利益を失うこととなす。原告は、本件株式消却によって、本件消却株式としての地位を失い、本件消却株式の時価に相当する経済的利益を失うとともに、払戻しをした本件各子会社から、本件消却株式の時価よりも低い額の本件払戻しを受けたにとどまるから、このような本件株式消却を伴う減資の手続を通じ、原告から払戻しをした本件各子会社に対しては本件消却株式の時価と本件払戻額の差額に相当する経済的利益が、原告から払戻しをしなかった本件各子会社に対しては本件消滅株式の時価に相当する経済的利益が、それぞれ対価なく移転したものということができる。

そして、原告が営利を目的とする法人であること、事業の再編も手続として本件において採用されたもの以外のものを選択することが妨げられていたと見るべき格別の証拠ないし事情は見当たらないこと、本件株式消却を伴う減資は直接には本件各子会社の合併までのいわゆる税金対策を主たる目的とするものであること等からすれば、上記のような経済的な利益の対価のない移転を内容とする手続を執ることが原告にとっての通常の経済取引として是認することができる合理的な理由に当たると直ちに解することは困難というべきである」とする(東京地判平成24年11月28日)。

[解説]

現金には価値属性は備わっておらず、現金は価値測定の尺度ではない。現金は現金商品である。

架空資本は所有しているだけでは現金留保を産まない。資本関係、現金留保義務から、経済実体は、労働を疎外して転嫁させた架空資本、固定資本、商品を現金商品と交換して、交換により得た現金に価値属性が付与されて、引き渡した資産と現金の価値属性を実体あるものとすることを余儀なくさせられる。

架空資本を低廉で譲渡した場合に、無償部分から現金留保が実現し、留保現金から贈与を行ったということは、現実の経済過程、経済関係から乖離している。
有償譲渡部分と無償譲渡の双方から現金留保の実現があったことからも、現実の経済過程、経済関係から乖離している。

国際金融資本は、経済過程に時間という属性を付与し、当該法人の資本家が疎外した労働分を架空資本に転嫁し現金商品と交換して現金に価値属性を付与した額を、国際金融資本家が資本関係を土台とした実体関係創設過程を土台とした現金留保義務、現金回収義務を土台に労働を疎外し架空資本に転嫁した金額に直した金額が、現金商品との交換する取引の架空資本引渡側の債権金額であると規定する。

既存の中央銀行を所有する民間銀行への投融資の過程、資本関係から創設された法律上の実体関係による、国際金融資本家に課せられた現金留保義務、現金回収義務から、国際金融資本家という経済実体は、資本関係、生産関係から特別法を創設して、民商法は破られる。払い戻し限度額は破られる。

架空資本を引き渡した側は、債権金額を現金によって代物弁済を受けたのである。子法人を分割し、産業を分社型分割によって新設した法人に売却し、産業を売却した側の法人を持株法人にして、持株法人の親法人、親法人の株主に現金留保を集中させる経済関係が確定し、契約を媒介に実体化させている。親法人の資本家は、現金を投下し、投下された現金を生産手段にして労働を疎外することによって現金を留保する。

親法人の資本家は、資本関係、投融資の過程、関係を土台とした既存の実体関係に基づく現金留保義務、現金回収義務に基づいて子法人にその架空資本を消却することを余儀なくさせている。資本家に意思はない。資本家は地位ではなく、経済実体である。

株式の消却により資本関係が消滅するが、払い戻しを受けることによって得た現金商品は、経済上、実体上生産手段にして貸与して労働を疎外して現金留保を得ることができることになっている。親法人の資本家が受けた払い戻しは、資本金の払い戻しではなく、譲渡ではなく、受け取った現金全額が、投下した現金が原価にならない配当ということになる。国際金融資本は、配当であるにもかかわらず、譲渡であるとするのである。

国際金融資本家の現実には実体のない、証券取引所所有により実体化された属性付与である時価と払戻額との差額は投資である。国際金融資本家は、配当名目により現金を留保しているにもかかわらず、法22条が包摂されるにもかかわらず、親法人の資本家は、国内法を適用して又はオフショアを利用して、受取配当の益金不算入、配当税額控除、所得税額控除により税負担を免れたり補助金を受けたりしているのである。

国際金融資本家でない法人、法人の資本家は、紙幣発行権を所有しないから、国際金融資本家との資本関係から課せられた現金留保義務から、事業再編の選択という意思は存在しない。

裁判所は、税金対策を主たる目的というが、目的は実体のない観念である。