食品小売業の店舗の改装工事の請負を業とする法人が、改装工事の他に、請負先法人のロゴマーク、照明、陳列の決定を行い、陳列棚の設置に要した費用も請負金額に含めて契約している場合、一契約で資産の引渡しを義務とするものと資産の提供をせずに役務の提供を義務づけるものとが含まれている。このような場合どちらの段階で収益計上の段階が規定されるかが問題となる。契約内容のどれが主であるか否かといった主従関係ではなく、生産手段として工事により取得した資産が貸与され、労働が疎外しうる段階で計上することが余儀なくされる。ロゴマークについては、内部造作の完成を基に、配列、照明の方法、字体が規定されたのであれば、ロゴマークについては、内部造作の完成、引渡しの段階で収益に計上されることとなる。陳列棚の引渡しは、内部造作の完成前に店舗に出荷されるから、その段階で請負収益とは別に収益計上がされることとなる。内部造作の進捗過程に応じて、陳列棚を探しながら設置を進めざるを得なかった場合には、請負工事と区分して収益する根拠はないものと考えられる。