取締役、監査役の退職金について、
「取締役、監査役の報酬額を株主総会で決議で決定すべきとした趣旨は、取締役の報酬を取締役会で、また監査役の報酬を監査役の協議で決定しうるとすると、恣意に流れ、いわゆるお手盛りの弊害を招き、会社及び株主の利益を害するおそれがあるので、これを防止し、取締役、監査役の報酬決定の公正を担保しようとした点にあると解されるから、株主総会が退職慰労金の金額等の決定を無条件に取締役会に一任することは、法の趣旨に反して許されず、自らその金額又は最高限度額を決定するか、そうでないとしても、明示的又は黙示的にその支給に関する基準を示した上で右基準に従った具体的な金額等を取締役会に決定させることとすることが必要である。
そして、株主総会が支給に関する基準を示したといいうるためには、会社に一定の確定された基準が存在しており、それが株主に公開されて周知のものであった場合か、少なくとも株主が容易に知りうるものであった場合で、しかも、その基準の内容が数値を代入すれば支給額が一義的に算出できる内容のものであることが必要であるというべきである。」とした上で、
株主総会の招集通知について、
「右通知は、一定の基準に従い相当額の範囲内で退職慰労金を贈呈するが、その具体的金額は取締役会又は監査役会の協議に一任されたいとの内容であり、取締役の説明も算出方法については基礎額と乗数と在位年数を乗じて計算するというだけで、結局は取締役会及び監査役の協議によって具体的金額を決定してするとの説明に終始しているにすぎない」とし、
「仮に被告の主張どおり、原告らにおいて役員退職慰労金規程を閲覧できる状態であったとしても本件総会における被告取締役の説明が前認定のとおり本来の説明となっていないことを正当化するものではない」とした裁判例がある(奈良地判平成12年3月29日)。
[解説]
資本を有しない役員、天下り役員の場合、資本関係、生産関係から、資本家の拠出した法人の現金を投融資先、労働力再生産義務を超えて使用することはできないから、役員の恣意の問題は成立しないし、その虞れというのは実体がない。
劣後金融資本家の場合には、国際金融資本家との資本関係、現金留保の蓄積により中央銀行を所有する民間銀行に投融資ができるという既存の経済関係、経済過程から、金融資本家から劣後資本家に課せられた現金留保義務を超えて支給を受けることはできない。
天下り役員、劣後金融資本家に高額の役員報酬名目の現金が支給されても、労働実体がなく、既存の資本関係から投融資であるから、劣後金融資本家ではない天下り役員は現金留保からみて中央銀行を所有する民間銀行へ投融資できないが、劣後金融資本家、劣後金融資本家たる名目議員は、中央銀行を所有する民間銀行への投融資ができるという既存の経済関係、経済過程があるから、退職金名目の現金を劣後金融資本家の経済関係を土台とする現金留保義務に基づいて使用することはできない。
当該法人、当該法人が投融資を受けている他の金融法人の資本を有する国際金融資本家が役員の場合、資本関係を土台に退職金の額を規定することができ、黙示の基準は後付の方便を用意することができるのである。
労働実体がない、中央銀行を所有する民間銀行を所有していることからリスクのない国際金融資本家への退職金の支払は配当であり、既に労働を疎外されている当該法人及び取引先の労働者に転嫁されることから、全ての役員退職金の支給基準は使用人、売上先仕入先、その他人民も利子配当という名目で労働を疎外されているから、国際金融資本家、劣後金融資本家の現金留保は、資本関係から課せられた現金留保義務から戦争に投融資されるから、その他全ての人民にもその求めがなくとも文書で公開されていなければならない。