役員退職金につき、株主総会の承認、役員退職給与規定の有無が問題となることがある。

これについては、
①法人に、商法の規定するお手盛り禁止基準に合致した内規としての退職慰労金算定基準が存在すること、

②功労加算額決定の慣行も合理的な支給基準であること、

③株主も①の成分内規制定に関する取締役会議事録を閲覧できることから、

商法269条の定めに違反するものではないとする裁判例がある

(大阪高判昭和48年3月29日、最判昭和44年10月28日、最判58年2月22日)。

役員退職給与規定の備置きの不備から一任決議が社会に認めさせることができたか否かが問題となり、総会決議の一部取消がされた判決がある(東京地判昭和63年1月28日)。

現実には労働の実体がない持株法人、法人グループを所有していた国際金融資本家であった者、国際金融資本家の後継が義務付けられた者、国際金融資本家と資本関係を有する劣後金融資本家が役員となっていて、現金留保義務に基づいて法人に投融資した現金を使用することができるから、退職金名目の支給であっても、現実には配当であって、労働者の労働が疎外され、労働実体のない役員の退職金の支払が労働者に転嫁されていることから、労働者に役員退職金支給について公開する義務がある。規程の改定があった場合、改定理由を記載し開示する義務がある。

退職金支給は、生産関係上の義務であり、退職金規程は、生産関係に基づいたものでなければならない。退職金支給が慣習や実体のないリスク、責任の負担に基づくものであれば、それは配当であるから経済土台がない支出であるという問題がある。労働者が推知しうるか否かといったことは実体がない恣意に基づくものであり、現金留保を疎外する過程に鑑みれば、推知しうるか否かにかかわらず、労働者から求めがなくとも、議事録自体に記載して公開する義務が存するのである。

他の全ての資本家を通じて労働者の現金留保を疎外して現金留保を蓄積する既存の過程を有する金融資本家にプライバシーは存在しないのである。