産業法人が不採算事業の資産、負債を分割承継法人に移転し、国際金融資本家より事業を買わされる分割承継法人が、受け入れた資産負債の対価として、株式を、事業を売却し、事業に使用していた資産負債を差し出した分割法人の株主に割り当てる。

従前は、分割承継法人が株式を分割法人と分割法人の夫々に交付した場合、すなわち分社型分割と分割型分割の混合である中間型の分割を行った場合には、分割型分割の場合、分割法人は純資産の変動があることから資本金等の額及び利益積立金の引継額を確定させざるを得ず、当該事業年度開始の日から分割型分割の日の前日までの期間及び分割型分割の日から当該事業年度末日までの期間がそれぞれ事業年度とみなされていた。

分割型分割の部分も分社型分割の部分も夫々税制適格要件に該当すれば、分割型分割の部分には税制適格分割型分割の、分社型分割の部分については税制適格分社型分割の利益を享受することができる。

平成22年度税制改定により、適格分割型分割、非適格型分割を問わず、分割型分割についてのみなし事業年度が廃止された。

22年改定前も後も、分割承継法人が株主だけを交付し現金を支払わなければ、分割の前後で同一の者が、分割の直後に第三者に譲渡することなく分割法人、分割承継法人の間の所有関係が継続されていれば、税制適格分割ということになる。国際金融資本家は現金留保を減らさずに買収することができるのである。

現金留保を減らさずにグループ法人の全ての架空資本を所有し続け、資本関係を土台に国際金融資本家から融資を受けさせ、現金を留保させ、架空資本に高い価値属性を与え、利子配当を受け続けることができる。

改定前後において、税制適格分割の場合、分割法人の側においては資産の移転損益は生じない。分割承継法人は資産を簿価で分割法人より引継ぎ、課税が繰り延べられ、現実には現金留保である引当金の引継ぎも受け容れた事業について行うことができる。資本金、利益積立金の引継ぎがあることは従前と同じである。

適格分割型分割の場合、分割法人の株主は、みなし配当は生じないということにされている。分割法人を消滅させる消滅分割の場合、税制適格分割であること、グループ化後5年を経過している、繰越欠損金がある法人のグループ化時の含み益が繰越欠損金を上回っている場合には、分割法人の繰越欠損金を全額引き継ぐことができる。

中央銀行を所有する民間金融機関を所有する国際金融資本家は、資本関係、現金留保義務に応じて含み益を変えることができる。適格分割の規定は、国際金融資本家と日本の全資本家との間の資本関係により規定された、国際金融資本家の資本関係と現金留保義務を土台とした規定となっているのである。