被相続人の死亡によって受ける弔慰金、花代、葬祭代は、相続税法上の課税の土台とはならない。しかし、被相続人の雇用主から弔慰金の名目で受け取った金銭が現実には退職金に当たるときは、相続税が課される(相続税法3条)。上記以外の場合にも、金融資本家と税務行政機関との生産関係上、被相続人の死亡が業務上の死亡の場合、被相続人の死亡当時の普通給与の3年分、業務上の死亡でないときは被相続人の死亡当時の普通給与の半年分に相当する金額は退職手当等として相続税が課さなければならないとされる(相基通3-20)。普通給与とは、俸給、給与、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当等の合計額をいう。法人税のケースにおいて、弔慰金の属性が付与されたものについて、業務上の死亡のときには、普通給与の3年分に相当する金額を相続財産に含めないこと、労働基準法79条が業務上死亡した労働者の遺族に平均給与の1000日分の遺族補償を支払うことを規定していることから、最終月額報酬に3年分を乗じた金額を損金算入できるとするものがある(福島地判平成8年3月18日)。