課税処分の取消訴訟が提起された場合、国税局長の名義で管内の税務署長宛に、条件を挙げてそれに該当する青色申告者の提出した申告書に基づいて、当該訴訟の係争事業年度につき、その者の収入金額、経費、所得金額を抜き書きさせて通知させ、その回答を資料に裁判所に提出することがある。原本が存在し、それを所持しているにもかかわらず、納税者に新たに文書を作成させることである。

公務員の守秘義務を理由として、比較対象となった者の住所氏名は、申告書の写しの氏名住所欄を墨で塗りつぶして証拠として提出することがある。書証の作成名義人が不明であり、納税者にとって、課税側の提出した証拠の納税者と所得率が類似してるかということを吟味することが困難である。 固有名詞を削除しても筆跡、資産、負債、従業員数、事業専従者といったことからその者を特定することが可能となる(広島高松江支決平成元年3月6日、名古屋高金沢支決平成2年1月24日)。

経済を規定する権利を有するから金融資本家には営業上の秘密は成立しえないが、現実には労働者からなる中小零細事業者は、営業上の秘密を明らかにされれば、生存の土台となる経済が損なわれ、投融資を受けざるを得なくさせられる。民事訴訟法上、裁判所に対してのみ当該文書を提示させることができる、インカメラ制度においても、このことは問題となる。

訴訟中の法人を所有する金融資本家が、裁判に提出された証拠を見て、当該類似法人を買収することの土台とすることができる。全資本家との資本関係から、金融資本家は、裁判所、行政機関との生産関係に基づいて、金融資本家の所有する法人ばかりを選択させ、資本関係、生産手段の貸与という生産関係から、それに市場価値という属性を与え、市場価値から逸脱して、現金留保をして課税を免れて更に現金留保をしている法人に課税し、現金を得て市場価値を実体あるものとすることができる。

生産関係については、生産関係の内の、労賃を疎外して労働力という属性付与による現実に支払われた労賃による搾取利得すなわち現金留保という規制事実は財務諸表上、申告所得書上からはわからない。現実に支払われた労賃と決算留保利益しかわからない。資本関係、生産関係にある国税機関は、現象面しかわからないから、資本関係、生産関係に基づいて、現象面だけで課税を行わざるを得ない。課税する側の利益となることを明かすのではなく、金融資本家の利益になることしか明かさない。現実には国税にとって利益になるチェリーピッキングではなく、金融資本家の利益となるチェリーピッキングである。シークレットコンパラブルを行うとき、課税側は、推定による更正処分がありうることを通知するだけで、その理由、原因となる事実を明かさない。実体がないから明かせないのである。原告も文書提出の理由が明らかにされないから、文書提出が義務付けられた者も原告も、文書提出が、所得算定の土台となるか否かについて問題提起をすることができないのである。