貸付信託、金銭信託は、信託契約に基づいて財産が信託され、受益者が財産の提供者に規定され、独立した存在として財産の運用、処分を行っていないとする立場からすれば、財団ではないことになる。

信託契約においても、財産を提供した者から、提供を受けた財産を、金融資本家から投資されている受託者が、所有し、財産提供者の経済関係を疎外して自身の経済関係に基づいて運用、処分を行っていれば、すなわち経済上も法律上も信託された資産を受託者が所有していれば、受託者は、法人である財団ということになる。

法人である財団も株式会社と同じ全ての事業が法人税課税を受ける。財団は、投融資促進の土台となる装置,機関である基金からの拠出は受けられないこととなっている。財団として、財産の拠出者が財産を拠出することにより、受託者がそれを所有し、財産運用の土台となる生産関係が存在するが、それを法律行為により、搾取利得たる現金留保の過程を社会に認めさせること、すなわち権利を取得させられることができない財団を法人でない財団ということになる。

法人でない財団を信託と同じ経済関係とみる見解も成立する。受益者が規定されていない信託は、信託管理人、運営委員会といった機関を設置し、信託契約により提供を受けた財産を提供者の経済関係を疎外して財産の運用、処分を行っているが、法人格を認めさせていないことから、財団とは言えないとする見解もあるが、財産を運用し、処分し所得を得ていることを契約により社会に認めさせているから法人であると言いうる。法人でない財団又は法人でない信託とみても、法人である財団とみても所得が実在すれば、税法上の法人として課税が行われるという点について言えば民法上の組合と同じである。