国税通則法97条1項に、担当審判官は、審理を行うために必要があるときは、審査請求人の申立てにより、関係者その他の参考人に質問し、帳簿書類その他の物件につき、その物件の所有者に提出を求め領置し、検査できるとあり(国税通則法97条1項)、金融資本家は、生産関係を土台に、審理する土台となる場合には、すなわち必要がある場合にはこれらの質問検査を義務づけている。

調査を実施するか否か、調査の相手方、調査の方法は、審理担当者の裁量であるとしている(東京地判平成24年2月10日)。

調査するしない、相手方や調査方法の選択に審理担当官に自由意思はなく、審理担当官を雇用する金融資本家が自らの経済関係を土台に決定している。

改正国税通則法により、必要があるとき帳簿書類の提出、領置ができることとなったが、調査時において、提出がされ領置された書類を異議申立てがされた処分庁が質問調査できるかは、国税通則法制定時に、審査庁たる行政庁の調査について規定した行政不服審査法32条は適用除外とされ、規定がない。

調査することの土台となる経済関係が存在し、問題提起を尽くして、質問検査を行い、経済上の事実関係の全てを把握し、全ての問題を摘出して、事実関係を確定するのであるから、異議申立段階で再度調べ直すというのであれば、事実関係の全てを把握せずに、問題提起を尽くさずに、恣意的に更正処分を行ったことになるから、異議申立てにおいて再調査を行うことはできず、調査時に提出を受けた帳簿書類その他証拠により 決定を行わなければならないと解される。