事業者は、事業上、工事を行わざるをえない場合、見積書を土台に工事に係る契約をするわけであり、完成引渡しを受けていて、請求金額が確定していない場合には、見積書の金額を収益費用に計上しなければならず、請求金額が確定した日の存在する事業年度においてその差額を計上することが認められる。
期末付近に完成引渡しを受けたものであれば、請求書や領収書の送達を待たずに収益費用を計上しなければならない。しかし、見積書、請求書の金額が算定される過程が省略されていて、工事現場名だけであったり、工事のタイトルだけで日付や現場名すらないものであったりする。
値引きが行われた場合や現実の工事の過程で行われた追加工事の金額が含まれて請求されていたり、現場経費、会費、監理料、手数料の支払いの一部が請求書、領収書に含まれていたりしても、それが見積や請求書の内訳に記載されていない。
経理担当者は、見積書、請求書の段階における未払計上の消し込みを行わず、各領収書に記載された文言を基準に資産計上し、取得価額を構成するコストの一部が二重計上され、取得価額と減価償却費が過大となっているケースが見られる。見積書、請求書の内訳がなかったり杜撰であれば、外注を使用した工事業であれば、売上が建っていれば、リベートではないかという問題提起や工事が現実には行われていないのではという問題提起が行われる。