自己資本比率=自己資本/総資産(or 負債+資本)で計算される。

この比率が高ければ高いほど無借金経営に近くなり、財務安全性が高いと評価される。

50%以上が理想、33.3%以上が好ましい、20%は、先ず潰れない、10%は危険水域、倒産企業は経済関係の進展過程によるが、7~8%とされる。

33.3%は、中央銀行の議決権拒否の権限の取得割合から付与された価値属性であろう。

E.F.Brightmnによると、自己資本比率の決定要因として、売上の安定性が高いか、担保提供可能な資産を多く持っているか、オペレーティングレバレッジが低いか、成長性は高いか、収益性は低いか、経営者の株式保有割合は高いか、財務状況は強いか、資金の貸し手や社債格付機関の態度(負債が多くても格付けを低めない場合には負債を利用)、市場状況(社債市場が良い場合には、社債を発行)を挙げる。

担保は経済上の処分権は、国際金融資本が取得し、債務は実体化されている。労働が疎外されて前貸しされ、返済を待たされている間に、労働力を再生産し、社債のフィクションにより資本関係がフィクションされ労働の疎外がループされるのである。

アメリカの企業においては、年金債務は、PBO(予測退職給付債務)の開示が要求され(FASB No.132)、連結財務諸表規則附則第2項により、SEC基準を採用している企業は、年金債務の積立附則額がフィクションさせられた。PBOは、実体のない観念であり、現実には労働の疎外を土台とした利潤の内部留保である。

ロックフェラー出資の国際決済銀行は、1988年、BIS基準すなわち自己資本比率8%以上を創設した。1998年の新BIS基準も自己資本率8%以上を踏襲している。

国債、外国債を日本の金融資本に購入をフィクションさせたことへの後付けの方便である。

国際金融資本が資本関係を土台に規定したBIS基準においては、国債は架空資本であること、リスクは実体のない観念であることを認めて資産には計上されないこととされている。

劣後金融資本に、各資産の価格には、実体のないリスクという属性が付与されて計算され、現金をはじめ資産総額を減らせば、自己資本率が上がる。

国際金融資本は、紙切れを無から無制限にフィクションでき、法定準備率という方便で実体化されているから、貸倒れになっても、100%破産することはない。

国際金融資本は、産業資本については、所有のフィクションではなく、産業法人が欠損でも、利潤をコントロールし、分配を受けることができる融資の手段を採用し、疎外労働を土台にした利潤の過程をコントロールする。

1998年に、土地再評価に関する法律が制定され、労働を疎外し、資産の評価を圧縮し、貸し渋りをフィクションし、労働の疎外を強化した。BISの自己資本比率規制クリアを方便にしたのである。

貸出量のフィクションを増加させて貸倒れにして貸付金に付与された価値属性を疎外すれば、労働の疎外は強化できるし、自己資本比率は上がる。

BIS基準には、各国の劣後金融資本に国際金融資本からの投融資を受けさせて、自己資本を悪化させ、国際金融資本に現金をはじめ資産を買収させ、固定資本、在庫は第三者又は関係者に譲渡して、譲渡先に投融資を行い、現金留保を蓄積させてきたという既成の経済関係が、土台にあったことが看て取れる。

劣後銀行資本の維持の過程が土台にあるのではなく、買収されざるをえなかった経済関係土台とした基準であると言える。

産業資本においては、自己資本比率が高いことは、設備投資に消極的であると評価され、企業成長にとっては好ましくないと評価される。

設備投資の結果、負債が多くなり、支払利息と元本の返済に追われ、損益分岐点が高くなり、労働の疎外が強化される。

景気変動の影響も少なく、事業が安定していて競争が激しくない場合には、リスクが小さいので、自己資本比率は低くてもよいが、景気変動を受けやすい、製品のライフサイクルが短い、技術革新が激しく大きな研究開発投資をしなければならない、競争が激しい場合には、それらのリスクに対応するためには自己資本が高い方が望ましいと、一般には言われる。

労働の疎外につき、納期の短縮や大量生産のフィクションに応じず、労働の評価の強弱に応じず、疎外された労働の評価が平準化していて労働力商品の評価の単価、疎外された労働の評価の商品への転嫁額を小さくしない代理人労働者には、労働力の安売り競争をさせ、納期や利潤の再生産の過程が短い、大量反復生産に応じている代理人労働者又は納期が長く疎外労働の量が大きい産業の代理人労働者には、預金をさせ、国際金融資本に前貸しして、労働力への貸付をフィクションさせることを、フィクションさせた資本関係を源泉に義務付け、方便にしているのである。

リスクや景気は実体のない観念である。