法人又は個人事業主が、土地建物といった取引単価の高い資産を購入した場合、購入した日の存する事業年度終了後、税務調査が入ることがある。

購入資産の会計処理によっては、減価償却の金額、所得金額も変わってくるのであるが、土地建物の契約書、見積書、領収書、金融資本家からの借入の契約書といったものについては、売主が、担保資産名目で地主から土地建物を取り上げてきた金融資本家所有の金融機関であるから、税務書も金融資本家との資本関係からケチをつけることは少ない。

当局が何を調べるかというと、資産の取得金額の、金融資本家からの借入金以外の源泉について追跡してくるのである。

現金は無記名であるから、各支出の源泉は何かを確定することは現実には不可能であり、定性要因、定量要因から問題提起の糸口を探り、方便を物象化しているのが現実ではないかと思われる。借入れした現金についてもその支出先はどこか、売上を抜いているのではないか、売上代金をどこかに送金しているのかを追い続け、併せて納品書、小切手の耳を一点一点調べていくのである。

現金商売以外の業種においては、青色白色問わず、現金出納帳をつけていないか、つけていても、個々の支出額、個々の収入金額が記載されているでけで、日々の現金残が記載されず、現金残の推移がトレースできないものがある。

納税者が、経済関係を確定させ、純資産の額を確定し、それを申告という法律行為により社会に認めさせることをしていないにもかかわらず、経済関係確定前のプロセス、又は実体のあるものとなっていないものを、更正処分は、納税者の雇用する労働者の現実の利害を疎外して、金融資本家の経済関係に基づいて現実の経済関係を変えるものであるから、納税者の経済関係、生産関係を否定するだけの経済関係上の事実を変えて確定させ、根拠をもって更正処分をできるか、更正処分を行う土台となるプロセスの調査をできるかについては、全ての事実関係を把握して、全ての問題提起をした上で、実地調査以外の全ての方法を尽くした上でなければ、調査しえないと考えられるが、調査時点の帳簿残高と実地在高を調べて、そこから直近事業年度に遡って決算上の現金残を割り出すことがある。

事業年度末日当日に現金残高を記載していなければ、決算確定を行った日の実地現金高から逆算して事業年度末の現金残高を確定し、決算日までの現金残の推移の過程を証明していたり、決算確定を行った日ですら現金を数えていない者は、調査当日になってその現金在高から逆算して事業年度末日の現金残を割り出し、原始記録と調査当日までの現金流通プロセスから帳簿書類が経済実体と乖離していなことを証明せざるを得なくなるのである。