ローソンが健康診断を受けなかった使用人に15%、上司に10%の賞与のカットを行うという。健康診断を義務付けることは、資本家が、労働者に生存を義務付け、奴隷という属性を与え、労働を提供することを誓約せざるを得なくさせること、強制労働を前提にすることである。

健康診断を受診させ、健康を害することの可能性とその予防とは、実体のないリスクに基づいて労働者に投融資を行うことである。実体のないリスクであることを資本家は知っている。現実に病気にかかっていなければ医療費控除を認めないのだ。

しかし、健康診断を受けて、労働力が損傷しているとのフィクションの宣告を受けてくれなければ、製薬の投融資をして労働力が現実に損傷してくれず、製薬との間に資本関係をフィクションできない。

給与は現実の生存の土台である。賞与も特典ではなく生存の土台である。健診を受けなかったことで、賞与をカットすれば、生存の土台が損なわれ、衣食住が困難となり、健康が害される。

健康診断の受診したしないに関係なく、受診の結果を報告したしないに関わらず、現実に提供した労働については生産関係上給与賞与を与える義務がある。受診結果の報告を義務づけることは、病気を原因に回復を待たずに、生産関係上、経済関係上、資本関係上の労賃搾取や退職を余儀なくさせることを行う方便を資本家に与えたり、病気が認定されない限り退職を認めず、労働者は生産関係下に置かれざるを得なくさせられたり、過重なノルマや残業、休日と定めた日の出勤をせざるを得なくさせるからである。

労働者は労働義務を履行したのであるから、資本家は、労働者に衣食住、医療費を含めた生存の土台となる現金を与え、労働できない者にも生存の土台となる現金を与え、健康診断は各人の経済、経済の上層にある健康の状況に応じて各人が受診するかしないかを義務付けなければよいことである。

停止することなく継続して健診を受けているわけではない。絶えず受けていたら生存の土台となる経済が行い得ない。時間という属性を社会関係のプロセスに込めて、年1回か数回受診しているだけである。資本家が限定した医師に、全ての使用人を同時期に受診させれるから、全ての使用人の健康の全てについて医師は知ることができない。健診の受診したとしても、経済関係、生産関係によって健康は規定される。休暇を与えなければ健康は害される。

しかし、健診の結果、病気にかかっていることは、生産関係とは無関係であるとする。経営者属性を付与された者を含む使用人に健診を受診させることは、生産関係上の義務を行ったとする逃げ口上、賃金搾取の方便にすぎない。

資本家が生産関係上の義務を履行するということは、生産関係の存するところ、労働したことについて、各人の経済土台に応じて健診を受けうる現金を支給することである。 資本家は、生産関係上、定期にだけでなく、生産関係を行っている間は絶えず使用人の健康に配慮し、休暇を与えなかったり低賃金で働かざるを得ない生産関係を作らないことが労働力再生産の土台となるのである。