配当原資、利息支払いの原資となる留保所得その土台となる現金資産によって賃金は規定される。金融資本家に支払わざるを得ない留保所得、その源泉である現金資産は無制限である。労働者は、労賃を搾取されば生存できない。

解雇されたり、就職できなければ、起業せざるを得ない。

親族に年金や生活保護を与えなければ、元正社員は、起業せざるを得ない。

事業には金がかかる。生産手段を持たない個人は、個人の所有する現金だけでは足りない。

金融資本家は、サラ金業者に金を貸して、労働者であった者から高利を得てきたこともあったが、これからその者の労働者から搾取できるというのに短期間にその者を経済上死滅させることはしない。

労働者であった者が産業資本を興せば、金融資本家から借入をせざるを得なくなり、搾取の源泉たる現金を調達して金融資本家に配当、利息を支払わざるを得ない。

さらに設備投資、土地建物を購入し、オフィスを拡大し、労働力商品を購入し搾取せざるを得ない。担保の源泉名目で、株式、公社債、保険証券を購入して資金を調達せざるを得なくなる。

戦争に投資しなけれならなくなる。資本家の子息と結婚し経済関係を構築せざるを得ない。女性に子孫を作らせて子孫を金融資本家からの借金の担保に提供せざるを得ない。養育費に金がかかり、さらに借入をせざるを得ない。

担保資産は金融資本家に引き渡さざるを得なくなり、更に現金が不足し更に投融資を受けざるを得ない。

投融資の利息や配当払いにより、給与を絞ることにより、課税を転嫁することにより現金を持たせなければ、投融資を受けざるを得なくなる

買収により、又は、全資本家を所有している金融資本家から租税の投入を受け、所有される。現金は無記名である。

これまでに預けた労賃からの搾取利得、投資した株式、公社債、保険証券は、金融資本家によって実体のない価値という属性が付与された架空資本であって、労働は交換前に疎外すなわち無いものとされ、新たに生産した商品に別個に価値という実体のないものを創設し、方便上物象化させた架空資本の価値を、疎外し、購入者に返済、配当せず、他の資本家に貸し出される。

金融資本家は、既に、オフショアに全資本家の所有する債務を上回る現金資産を有している。貸付金、預金した現金、架空資本に属性付与された価値は実体がないから、資本関係を土台に価値を動かして投資した現金の現実には備わっていない価値属性ををいくらでも増殖でき、架空資本を売却して新たに搾取の現金を所有できる。

無制限に紙幣を発行できる中央銀行を所有しているから、金融資本家が現金不足になることはない。投融資先に貸倒れを生じさせても現金不足にはならない。

中央銀行を所有していることは、現金の上層にある架空資本、固定資本、労働力商品、その上層の経済その上層にある権利、法律、行政も所有しているということである。

世界各地の全ての資本家に国連やEUを創設させざるを得なくさせ、そこに加入せざるを得なくさせられ、劣後金融資本家としての経済関係を所有せざるを得なくさせる。

産業資本家に税法を媒介に補助金を与える。産業資本家は、労働者を搾取して支払い配当、支払い利息の留保所得、現金資産を作らざるを得ない。足りなければ投融資を受けざるを得ない。

金融資本家は、劣後金融資本家や産業資本家が別の産業資本家を買収すれば、株価は実体がないから証明することができないから、そこに投融資を受けざるを得なくさせる。

金融資本家は、全資本家を所有し、全資本家の集まりの運営経費である租税を全資本家の所有する、全資本家の集まりである国家から疎外された労働者に負担させる。

全資本家の雇用者でありながら運営経費を負担しない。金融資本家にとっては、投融資先の現金資産、架空資本、固定資本と現金債務を膨らませてから所有した方が、土地、軍事製造設備といった固定資本を譲渡し、搾取の源泉となる現金を貸出したり投資して膨らませることができ、他の資本家が買収や破産を生ぜじめることができなくなる。

現実に、三菱地所は、不動産会社であるロックフェラーセンタービルを購入せざるを得なくさせられた。

戦争で金儲けをするとは、生産関係を媒介にした武力による威嚇により直接土地、固定資本、産業資本を収奪することではなく、金融資本家自身は土地、固定資本、産業資本を所有せず、劣後金融資本、産業資本に所有させ、現金が産業資本家、列後金融資本家に投融資され、自由意思に関係なく生産関係を行使させ、戦争を行わせ、利子配当の原資を蓄積させ、利子配当を現金で得ることである。

固定資本、産業資本を所有していたら資本関係から事業を継続し投融資を受けざるを得なくなるから所有しないのである。

人による支配を土台とした平等思想に影響されたのではない。産業資本家が蓄積してきた現金、資産は労働者を疎外して労働者が産業資本家、金融資本家から搾取されてきたことによるものである。

金融資本家は、産業資本家への投融資をして、労賃を支払うことなく、労働者に利払いや配当の支払いを転嫁させることができる。労賃を搾取できる。産業資本家は、資産を自由意思で処分できる現実の所有者ではないのである。