[事実関係]

<p> プラスチックの精密加工業を業とする同族会社が計上した旋盤の減価償却について、原処分庁が事業年度末に旋盤は製造過程にあり、引渡しが済んでいないとしてその減価償却を否認するとともに、納品が不可能であるにもかかわらず、納品書を発行させたことは仮装に当たるとして、更正処分、重加算税の賦課決定が行ったことにつき、その取り消しを求めて審査請求した事例がある(平成18年5月22日裁決)。</p>

[解説]

<p> 裁決は、請求人から受注した業者は、現実に出荷した日付で売上を計上しているが、請求人から受注した業者にとって、請求人は大口の顧客で、請求人の事業年度中の日付で納品書の作成、預かり証の作成を依頼されたことにつき、それを断ることができず、現実には納品の事実や受注した製品を預かった事実はないと認定した。

裁決は、請求人は、製品は、翌事業年度に入った1月7日に研修に使用した旨、指図による占有移転があった旨主張するが、製品は、各顧客の仕様に合わせ、各顧客の立会いの下、検査を受けてから発注先の工場から顧客に直送され、検査の日付がそれより後であることや受注マスターリストの日付や現実に研修が行われた日から、請求人自身の工場で製品加工に使用したとし、請求人に現実に納品されたのは翌事業年度になってからであることから、当該各事業年度中に引渡しがあったと言えないとした。検査、直送するまでを労働の完了とみて売上が計上されるとしているのである。

事業年度末までに納品されていないことを承知しながら納品書の作成を依頼し、その交付を受けたことから単純な会計上の過誤に止まるものではなく、仮装に当たるとした。

請求人と受注法人の経済関係から受注法人は、現実の納品書の日付とは異なる日付の納品書を作成せざるを得ないから作成するしないに自由意思はない。

問題となるのは、請求書の日付で請求書の土台となった経済関係が存在しないことである。

ところが、仮装と言いうるか否かについて、現実に事業年度末までに納品していないかを知っているか否かという実体のない主観すなわち唯心により結論づけてしまっているのである。

労働者が生産した物は価値という属性が込められた時には既に労働者の所有ではなく、資本が引き渡すことによって、価値は実体として存在することとなるわけではないが、価値を社会に認めさせることができる。

現金の投資が搾取の源泉で、固定資産は、労働商品と共にそれを取得して資本を構成し、労働力商品の一部として、または労働力商品と離れて、商品として搾取利得を生産する。労働力を使用した検査試運転という労働を済ませ搾取利得を生産し得る生産関係が形成されていなければ現実には人件費である、法律上の減価償却費は計上し得ないことになる。</p>