帳簿書類にゴルフプレー代の記載があった場合、事実関係の全てを確かめることなく、交際費等という価値という属性を与えるのではなく、ゴルフプレー代は、当該法人が主催したものなのか、当該法人は、別の法人が参加して参加費を払ったものかを確認する必要がある。
当該法人が主催者であった場合、当該法人が参加法人の分まで全て支払ったのか、それとも会費の徴収があったのか否かという問題を提起しうる。資本関係上、経済関係上招待せざるを得なかったのか、事業を行う上で必要であったのか、政策上必要であるだけで経済関係上は必ずしも必要ではなかったということかということが問題となる。
当該ゴルフ招待を、原因となる資本関係経済関係に基づいてせざるを得なかったのではなく、目的すなわち唯心に立脚して招待したすればそれは方便であり、交際費等とされうるし、政策上せざるを得ないというだけでは交際費等となり得る。経済関係上資本関係上せざるを得なかったと主張すれば、それが資本家に採用されるかというと、資本家にとっては、ゴルフの招待を受けたからといって、所有する法人の内部留保は全く蓄積されない。接待された側が経済利益の認識がないというのではなく、現実に内部留保は増加しないのである。
交際費等かそれとも寄付金や配当であるのかのメルクマールは、経済利得を受けたという認識の有無ではなく、現実に内部留保が増加したかであると言いうる。ゴルフに関する費用は、如何なる理由があっても、交際費等であるという属性が付与されているのである。参加者からの会費の徴収があった場合の課税関係はどうかというと、会費の支払いという支払った側の交際費等と、ゴルフの招待という主催者側の交際費等の2つの交際費が存在し、会費を受け入れた側は当該金銭の受け入れを雑収入として計上する。接待を受けた側としては、内部留保の蓄積とは関係のない接待という役務を受けたことについての支払義務によるものであるから、支払わざるを得ないものであっても会費支払いは、交際費等という属性が与えられている。
招待した側の法人の資本家としては、二重課税ではないかと問題提起をする者がいるが、招待した側は、会費は、事前に返還不要が確定しているもので、会費名目で金銭で受け入れることにより、当該金銭を使用して、労働者搾取による内部留保を蓄積することができたのであるから、接待による交際費課税とは別個の取引であるから2重課税の問題は成立しえないのである。