[事実関係]

 ロックフェラー所有のメリルリンチが資本関係から提案させられた取引で、民法上の組合が、コロンビアの関連法人ジェネシス社を通じて、映画を制作したコロンビアから映画所有権を取得し、組合は、FRBを通じてロックフェラーと提携するロスチャイルドが自らが所有するロイヤルダッチシェルとオランダ国家を媒介に所有するオランダ銀行の融資を受け、メリルリンチとオランダ銀行に手数料を払い、オランダ法人でコロンビアの関連法人IFDに、オランダ銀行から借入れた借入金元利合計と同額で配給権を与え、ジェネシス社から興行を行ったことによるリース料を受取り、組合に対する保証料はHBU銀行が負担する契約を締結し、配給権は映画を制作したコロンビアに、オランダ銀行から組合が借入れた金額と同額で譲渡されたのであるが、当該取引に組合構成員として参加した不動産法人パラツィーナが、出資割合に応じた当該所有権を減価償却した事例につき、最高裁は、映画に関する権利は、IFDに移転し、借入金の返済について実質的な危険を負担せず、映画は組合の収益を獲得する源泉であるとみることはできないとして、減価償却費、支払利息の計上を否認した事例がある(最判平成18年1月24日)。

[解説]

 裁判所は、事業の用に供していないとして減価償却を否認した。国際金融資本が、他の資本家に金を使わせ、資金を貸出し、生産手段を購入させ、利息と手数料という名目で、資本関係を土台に組合の労働者、当該別の資本家所有の労働者を搾取する取引である。紙幣発行権、準備金制度を所有する国際金融資本から、担保名目で資産を提供することで現実にはそれを国際金融資本の所有されることにより、投融資を受けられる関係が既に存在するから、現金を貸与したり、生産手段を購入し、労働を疎外し、疎外された労働を資本に転嫁することができるから、投融資を受けた産業資本、劣後金融資本は、返済できないというリスクは実体のない観念である。原告組合出資者は、金融資本家との資本関係に基づき、リース料を収受し、自ら及び取引先所有の労働者を搾取をして内部留保を蓄積し、それを法律を媒介に、法人を登記することにより社会に認めさせることをせざるをえない。

原告不動産法人も組合も別個の法人である。現実に所得の土台となる利益は存する。金融資本家、産業資本家との経済関係上、留保利益を土台に所得を算定し納税しなければならない。帳簿に記載して所得を算定し確定申告書を申告するしないに法人資本家に自由意思はない。

経済上の利益、搾取の源泉について、資本関係、経済関係から資本家の自由意思の介在する余地なく帳簿記載せざるをえず、商法によってそれを社会に認めさせた権利であって、無形資産である。

法律の適用の土台となるのは、契約上の関係ではなく、経済関係である。経済上関係と契約関係が法律上の権利取得のプロセスに鑑みれば経済関係と契約上の関係とが異なるということは成立しえない。

組合の出資割合に応じた部分の金額につき、出資者は、借主の労働者の労働を疎外するリース料を土台とした税引き前の現金留保を原資に配当を受取り、出資法人と組合との間に所有権についての規定がなければ、出資法人と組合の関係は出資契約であって、当該所有権は、組合の所有であるが、所有権についての契約がありそれを土台に社会に認めさせているから、持分に応じて、当該所有権は原告の所有である。

フィルムや固定資産、権利はそれが現金留保を生み出すのではない。労働の疎外により現金留保を生み出す。固定資産はそれを導入することにより生殖による労働力商品再生産の土台となる生産過程に付与された属性たる労働時間が短縮され、価値という商品に込めた属性を低下させ、労働からの搾取の方便とする。

組合員と生産関係のある労働力商品に生産手段にして貸与し、労働を疎外し、疎外された労働の資本への転嫁の過程がなければ、現実には価値が備わっていないから実体のない費用である償却を実体あるものとすることを社会に認めさせることはできない。

法人は、所有権を計上することにより搾取を限界である貸与することによる資本への労働への転嫁たる生産過程を定めず、永続することを前提であると社会に認めさせたのであるから、所有権は、減価償却しえない。

判決及び学説の多くは、効果意思すなわち所有権取得の意図であるとか、真に意図している私法上の事実関係、意図した経済目的、経済効果、租税回避の意図であるとかの実体のない唯心論に基づいてしまっている。

税負担軽減の企図にかかわりなく、実体のない、方便でしかないリスクにかかわりなく、搾取を土台とした法律上の権利、利益は確定される。契約や帳簿に記載された事実を認めながらも、価値という属性を物に込めて経済関係を成立させないのも、法解釈により契約が成立しないことがあるというのではなく、事実関係の否認である。

課税減免規定が限定解釈されるのは、政策目的からではなく、資本家の所有する資本関係、経済関係からである。

行政は経済に劣後するから法を運用する権限など現実には有していない。 また、オランダ銀行が原告にした融資相当額がコロンビアに渡ったと見れば、コロンビアと原告間の映画所有権の譲渡について労働者からの搾取利得による内部留保を獲得していないことになるから、譲渡価額につき問題提起がなされていないという問題も存する。