資本経済学校の教科書には、配当は利益の分配としか説明されていない。現実の経済関係に照らして、配当をとらえると、配当とは、資本家が労働をせずに、労働者を搾取することによって得た利得のことである。

株式配当以外にも配当というものがあらゆる取引において行われている。使用する土地建物は、その所有者によって投融資されている。地代家賃は配当である。土地建物を貸付け、地代家賃という方便により貸付先労働者を搾取する。地代家賃の所有者は、金融資本家に融資されているから、金融資本家との資本関係、経済関係により、貸付先の労働者を搾取する。金融資本家は、別の金融資本家に投融資されているから、当該資本家との資本関係により、貸付先労働者を搾取する。産業資本家が購入した労働力、株式公社債、保険も金融資本家別の産業資本家に投融資されていれば、その資本関係に基づいて労働者を搾取する。高く資産、役務を買わせる。現金資産である利息を含めた資産、役務を安く購入する。

労働者は、搾取されているから生産手段を持たない。生産手段を貸し出されているから、生産関係に基づき搾取される。女や子供は、資本家、労働者を問わず主人という属性を込められた男を媒介に、資本家に投融資されているから、当該男と共にその資本関係、生産関係に従わざるを得ない。内部留保の源泉、貨幣の源泉は、労働者から搾取したことによる。労働力提供義務を果たしたにもかかわらず、資本家がその役務提供の対価支払い義務を果たさずに、生存維持という方便により、搾取された後の金額で生存させられていることに基づいているのである。