税務の世界の構造は、建物に例えることができる。すなわち、建物の土台が資本家と自らの使用人及び他の資本家の使用人との間の経済関係、これを基に金融資本家により、労働力商品に属性が付与され内部留保を見積もり取引が行われる。

1階が社会通念ではない、各経済の総和である社会、経済が法を規定するから、2階が所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、租税特別措置法における手続法、実体法、3階が国税通則法、4階が法律上の権利と義務、5階が、司法と税務行政機関。法に従わざるをえない経済関係、法を破らざるをえない経済関係があることによる、すなわち、資本家から財務大臣、国税庁、各税務署への命令。5階が行政機関職員への命令である通達、6階が実質課税の原則、7階が裁判例すなわち法則、現象。裁判所は、経済その上層の法に基づいて実務を行うのであって、租税法律主義に基づいて実務を行うのではない。7階が、法理論、10階が、社会通念、11階が、租税法律主義、租税公平主義、11階が解釈、12階が経済取引の意思目的、13階が法の趣旨目的、14階が信義則となる。

土台が強固であれば、上層階を攻撃しても建物を崩すことはできない。攻撃する側からみて、上層階に当たる解釈~信義則が土台になっている、基礎の弱い建物は、簡単に崩すことができる。この建物の構造を見れば、税務調査や税務訴訟において相手方のどこを攻めれば勝利でき、どこを攻めれば敗北するかがわかるのである。税務調査や訴訟で税理士と弁護士と納税者側が勝てないのは、、自らの主張の基礎が、租税法律主義をはじめとするイデオロギーや取引の目的を土台としていて、課税庁が把握した経済関係上の事実認定について攻めないか攻め方が甘いからである。税務行政側は、資本家から時間という社会関係上の制約すなわち更正処分を行いうる期間に制約がかけられているから、税務行政側が行う経済関係の把握の全体化には限界があるのである。