厚生年金、健康保険が現実には税金であり、社会保障以外の使途に充てられうるというものであれば、内部留保金額、所得金額の大きい大法人と所得が少ないか又は欠損の法人とでは、担税力が異なる。にもかかわらず、事業主負担割合は、大法人も零細事業者も同じであるのだ。労働力からの搾取の割合が低い法人よりも、搾取割合の高い法人の方が社会保険料の負担額が小さくなるのだ。搾取割合が高い法人の資本家ほど、社会保険料の負担が少なく、さらに内部留保を蓄積しており、担税力、国家の使用度という点から見れば矛盾している。しかし、誰もこのような構造を指摘しないのである。