資本家は、負債の弁済に充てると内部留保が削減され、欠損となる、経営が成り立たない、だから、内部留保を蓄積するのだ、などという。確かに、産業資本家、金融資本家は内部留保の蓄積を命じる。内部留保と現金残は帳簿上イコールではない。内部留保の源泉及び結果である資産の内、現金預金以外の資産を直接代物弁済として供することはありえない。現金預金以外に負債の支払いに充てられうるのは、有価証券、金融資産のように売却によって即時に換金しうるケースである。資産の価値を測ることができる物差しではなく、現実に、現金は資産と交換でき、現金は商品たる現金商品である。内部留保を現金留保というのはこのことに基づいている。費用についても減価償却費は現金の流出を伴わない費用であるし、負債についてみれば、各種引当金は現金の流出を伴わないし負債である。会計上の内部留保金額よりも手元現金には余剰がある場合があるのだ。資本家のいう負債の弁済に充てると内部留保が削減されるというのは方便なのである。