納税者は取引時においては、その時の経済関係、その上の法律関係に従って取引を行わざるをえず、自由意思は介在しないことに鑑みれば、その後、別の資本家が、経済上の権利、利益を獲得し、法律を変えて、又、司法を媒介にしてそれを社会に認めさせた場合で、法改正、判例変更がなされたのは偶然ではなく、経済関係に係る事実、問題提起の採用不採用を経て行われるのであって、法改正前になされた経済取引については納税者にとって不利益となる場合には、改正法は遡及適用されえないと考える必要があるであろう。