若者の失業率が高い原因は、何か。資本家は、奴隷になって服従するという意識の向上を若者に説いて、生産関係上の事実関係の全体化、問題提起の全体化をしていない。株主が役員である同族会社の場合、高額の役員報酬は、生産の対価以外は、資本家への配当と同じである。すなわち、労働者からの搾取である。一定水準の生産を行う熟年労働者からは搾取による利益が確保できる。外国人の労働に低い価値という属性を与えてそれを社会に認めさせることに成功してきたから、搾取による利益が確保できる。よって、資本家は彼等を辞めさせたがらない。正社員もサービス残業という方便により搾取されている。休息を取らずに労働時間内に仕上げても搾取される。能力に関係なく、どちらのケースも労働時間内は、生産手段の所有者である資本家に拘束されているにもかかわらずにである。若者の失業率が高い原因は、熟年労働者の解雇制限の存在や外国人労働者の存在ではない。解雇制限や外国人労働者に原因を求める議論は、生産関係上の搾取という構造を見逃しているか隠蔽しているのである。