[main album]

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[A](1)Everybody Loves A Winner (2)You Don’t Miss Your Water (3)Do Right Woman-Do Right Man (4)I’ve Been Loving You Too Long (5)Nothing Takes The Place of You (6)Then You Can Tell Me Goodbye

[B](1)Eloise (2)Any Other Way (3)It’s Happening All over (4)Never Like This Before (5)You’re Such A Sweet Thang

[career]

R&Bの発展過程を語る上で、ソウルのパイオニアの一人としてウィリアムベルを挙げることができる。

ウィリアムベルは、1939年7月16日生まれで、1955年にThe Del-Riosを結成し、1956年に、The Del-Riosは、ミッドサウスタレントコンテストで2位になり、Meteorレーベルからレコードを出すことになり(Sweet Soul Music 144頁)、The Del-Riosというグループのメンバーとして、「Lizzy/Alone on a Rainy Nite」(Meteor 5038)で録音を開始した。「Lizzy」は、後半吠えまくるヴォーカル、ジャンプブルース的なサックス、畳み掛けるようなピアノ、ジョニーギターワトスン的なギターが登場するRockin’ナンバーで、「Alone on a Rainy Nite」は、飄々としたサックスと流れるようなピアノのブルージーなスローナンバーとなっている。共にLead Vocal by William Bellとクレジットされている。バックは、ルーファストーマスのバックバンドであったベアキャッツである。このデビュー曲は、ソウル&レコーズ83号の付録CDやThe Complete Metor Blues, R&B, Gospel」(CDCH 2 1090)で聴くことができる。

1957~1958年頃、The Del-Riosは、ルーファストーマスのバックバンド、フィニアスニューボーンのオーケストラのヴォーカルとしてもショーに出演している。1959年にDel-Riosは、BETレーベルに、Heavenly Angel/Dangerous Lover (T-7001)を録音する。

The Del-Riosは、その後他のメンバーの脱退があり、活動休止をしたが、1960年に活動を再開し、William BellもThe Del-Riosのメンバーとして、Staxで録音をした。その内の「There’s a love」は、コースターズ、キャディラックスタイプのドラムをはじめリズムセッッションが飛ばしまくるロックンロールで、バスヴォーカルも活躍する。「Just across the street」は、張りのあるリードヴォーカルが歌う甘いバラードで、コーラスがファイブサテンズ的な曲である。この2曲は、Staxの9枚組コンプリート「the Complete Stax / Volt Singles 1959-1968」で聴くことができる。William Bellの名前もクレジットされている。

また、The Del-Riosは、Pop-Eye the Sailor Man という曲をも録音しており(Ace 107)、この曲は4000 Volts of Stax & Satelliteというコンピレーションで聴くことができ、1960年前後のニューオリンズテイストのノベルティナンバーとなっている。William Bellは、Stax及びStatelliteで、これら3枚のシングルを録音した後、1962年に、The Del-Riosを脱退している。

William Bellは、The Del-Riosが活動休止中に作った曲をデモとし、それが、1961年に、Don’t miss your waterとなって発表された(Sweet Soul Music 145頁)。すなわち、ゴスペルのテクニックを採り入れたR&Bを1950年代末に作っていたということである。ここでは、メンフィスサウンド的なホーン、オルガン、ピアノが登場し、シャウトも力みなくそれでいてパワーがある。スタックスサウンドの基礎になっただけでなく、R&BからSoulへの橋渡し的な曲となっている。同曲は、再録ヴァージョンが、「Soul of a Bell(Stax 719)」に収録されている。オリジナルテイクは、「Do Right Man」( Charly CRB 1076)というLPで聴くことができる。同アルバムには、Any other Wayという格好いいアーリーソウル曲もある。同アルバム中の曲は、全て、ソウルクラシックとなっている。

Stax期のヒット曲には、「I forgot to be your lover」があり、ジュディクレイとのデュオ「Private Number」も録音している(Boy Meets Girl Stax2024)。ゴスペル色の強い、それでいて穏やかなバラードShare What You Gotを力まずに力強く歌っている。個人的に好きな曲としてオーティスレディングのカヴァー「Hard to Hundle」がある。

1977年にはマーキュリーに移籍し、マーキュリー期には、「Tryin’ to love two」の大ヒットを記録する(R&B1位/全米10位)。「Easy Comin’ ou」t、フルートがモダンな南部サウンドとピッタリと合う「Yesterday I lied,Today I Cried」も好きな曲である。

[Discography]

(オリジナルアルバム)

The Soul of A Bell(Stax 719)-1967年
Bound to Happen(Stax 2014)
Wow(Stax 2037)
Phase Of Reality(Stax 3005)
Relating(Stax 5502)
Coming Back for More(Mercury 1-1146)-1977年
It’s Time You took another listen(1-1193)
Survivor(Kat Family 38643)
Passion(Willbe 3001)
On A Roll(3007)

(編集盤)
A Little Something Extra(Ace CDSXD 037/ Stax SCD 8566-2)
Do Right Man(Charly CRB 1076)
The Best of( Stax SCD 24 8541-2)

[追記]

その後、2015年3月には、初来日を果たしています。