法人格否認の法理とは、私人間の取引その他の法律関係において、形骸化した、又は法の適用を回避する狙いで濫用された法人格を否認することにより、その背後にある実体に対し履行の責任を負わせ、取引の相手方の保護をするとする法理である。否認する側も、否認される側も意図という唯心論、目的論に基づいていること、各法人に設立に係る法律行為に自由意思がないことから、税法の土台となる経済関係の問題においては、適用の困難な法理である。