生活保護を申請して受給した者の中に、そのことを批判する者の収入を超える者がいたことが問題なのではない。労働しているにもかかわらず、低賃金しか支給されていないことが問題なのである。資本家が労働者に向かってこれで、生命を維持して労働し続けろと命じて支給している金額と、労働者が現実の生活に必要な金額との乖離が著しいのである。労働や能力に関係なく生活に必要な金額が支給されていないことが問題なのである。生存が維持するだけの金額すら支給されていない場合もある。

大企業が取引先企業の労働者、下請会社の労働者から搾取する。搾取された会社は、その労働者の賃金を絞るという構造が問題なのだ。一の製品製造、役務提供当たりの金額と待機時間拘束時間を含めた労働時間に基づいて賃金を支払っていれば、生産関係上、あれだけ巨額の内部留保が蓄積できるわけがないのだ。賃金以外の経費や設備投資、研究開発費を支払って欠損金を生ぜじめても、労働者が悪いのではない。それを命じている資本家が下手くそなのである。既存の経済関係及びその原因を現実に即して把握しそれを全体化し、問題提起を全体化するという作業をしていないのだ。搾取して会社を維持して儲けることしか知らないのだ。一部のタレントを吊し上げ、批判の矛先をそこに向けさせる。こうした構造の問題を隠蔽し、問題提起できないようにする。生活保護受給者を叩くことは搾取を正当化することである。この構造を問題にしない限りは、労働者を搾取して内部留保を拡大し続ける資本家に加担し続けることとなるのである。これで戦争が行われれば、生活保護者を叩いた者も、戦争協力者となるのだ。