個々の経済関係が社会、法律、権利と義務、政治を規定する。意思や意識が、経済、社会、法律、権利義務、政治を規定するのではない。個々の経済関係における闘争を勝ち抜いた者が、権力を獲得し、自らの経済関係に基づいて、他の経済関係を変形させる。その媒介をするのが法ということとなる。個々の経済関係に基づいて規定された法律を基にできたのが通則法であり、各通則法を基にしてできたのが憲法である。一般法、憲法は、いわば、属性を規定する法律ということとなる。個々の経済関係において、停滞、発展、変形することによって、新たな法が形成される。よって、問題となりうるのは、法が憲法に反しているかではない。命令、規則が法律に反しているか否かではない。ブルジョア法律学者は、命令、規則が法に、法が憲法に反するかを問題にしておきながら、個別特別法が一般法を破るといっているのだ。問題は、個々の経済関係に基づいているかどうかである。しかし、頻繁に法改正がなされ、命令、規則、通達が法の制定後に成立させるということは、法制定の土台となる経済関係における事実関係の全体化がなされておらず、一部の経済関係を優先させて性急に方便を用いて法律を制定したということである。