法律が先か経済が先かについては、土台となる経済関係がなくして、法律は存在しえない。よって、経済関係が法律に先立つ。資本家が価格や取引を行うか否かを決定するのは、どれだけ労働力から搾取して内部留保を蓄積できるかという経済関係である。取引時までの法律がどのようになっているかによって搾取できる取引を行うことをとどまることをやめざるをえない。搾取による内部留保という土台を基に自らを「特別」であると事実上認めさせ、法律を創設したり、改正することにより法律上社会に認めさせることに成功するのである。法律により経済関係を規定し直しているように見えるが、経済関係が経済関係を規定し直しているのである。搾取戦争により、一の企業にとっては、利益となり、他方の企業にとっては不利益となる法律が創設されたり、法改正がなされるのは、資本主義の経済関係に基づくのである。当然の帰結という属性があるわけでもなければ偶然でもない。現象面のみを追えば、搾取戦争の勝者は、自国で税負担をしているかのように見えても、消費税還付や税額控除という補助金が支給され、経済関係の構造を全体化すれば搾取による内部利益蓄積に成功しているのである。