軍隊の使用料は、自国においても他国においても、既存の経済関係から問題提起をすることから出発しない資本家が自身の目的どおり搾取に成功したか、期待した効果、奢侈が得られたかに関係なく、使用人たる兵隊が勤務した時間によって確定する。使用料の原資となる税金は、原価ではないから、どちらの国において稼得した所得に対応するかという対応関係にはない。

したがって、二国以上において税金を支払ったことをもって二重課税とは言えないのである。相互協議を媒介として、所得とそれを基に算定される税額を配分し直し、既に別の土地で支払った税金を二重課税とし、対応的調整として還付を受けることは、資本家共同事務委員会が他の土地から金銭を略奪することに協力したことに対する報奨たる補助金を当該企業に交付していることなのだ。軍隊の使用料を資本家以外の労働者に負担させる。資本家が軍隊に労働者を守らせているのは、労働者を搾取することにより富が得られるからである。金のなる木で、自らの所有物であるからである。労働者やその子供を愛しているからではない。可愛いからではない。資本家は、愛だとか可愛いだとかの唯心論に基づいて彼らを守っているのではない。労働者自身には、生存が維持されたことによる利益はない。搾取関係を当然のものとの属性を与え、移転価格税制によって作り変えた経済関係を媒介に、軽課税にした国の労働者がした役務提供の対価を搾取することを正当化し続けるのだ。