経済関係上の所有者が、法律上の所有者となって、排他的に第三者に対抗して事業を行うことについて、登記をはじめとする法律行為を行うかについては、自由意思が介在しない。登記をすることでその名前を語り事業を行い経済関係を作り、搾取を行っているとのであるから、産業資本家金融資本家に所有されていても、法人は法人として実在するのであって、法律擬制説というものは成立しえない。法律の要件に該当せず、登記を諦めざるを得ない者は、経済関係上の所有者であるが、その者の債権者から内部留保を命じられていることから、恰も法律上の権利者であるかを装って事業を行わざるを得ない。代理行為に限らず、貸倒損失の場合にも言えることであるが、現行の各法律は、取引相手方の経済関係を知りえない関係にあることから、問題提起、推論ができなかったことから、このような経済取引において損失を被った側を救済している。前文の現行の解釈も知っているか否かという唯心論だけで判定しているわけではないが、現実の構造に即した見方をすれば、既にそこに経済関係を形成し、取引先事業者の使用人から搾取が行われたという構造から見る必要がある。